今月の学校図書館

こんなことをやっています!

東京学芸大学附属高等学校

2019-11-01 10:24 | by 岡田(主担) |

 公開研究授業に向けて、「自画像の資料を集めてほしい」と美術の教員から依頼を受けました。聞き取り調査で「生徒は、絵が似ているとか似ていないに注目しがちである」「高校生としての今の自分を見つめる授業としたい」との授業目的が見えてきました。

公開授業の様子




お互いの自画像を鑑賞し、共有します。
敢えて外で行うのは狭い空間や意識を解放する意図があります。

 教員と授業目的を確認し、本校にある様々な資料をピックアップしてみました。
以下に一部を紹介します。



















『芸術新潮』2013/4 フランシス•ベーコンを解剖する
42ページ「自画像」1969年作
こんな自画像もあります。まさに、のたうちまわっている自画像です。


1901年 油彩/カンヴァス
©2008 - Succession Pablo Picasso - SPDA (JAPAN)
©Photo RMN - ©/distributed by DNPAC
『世界美術大全集28 キュビズムと抽象美術』小学館 1996 708セ28 p.21
ピカソ「青の時代」を代表する自画像です。20歳の自画像です。


萬鐵五郎 自画像『赤い目の自画像』(1912年-1913年)
こちらは赤で表現されています。なぜ「赤」なのか考えても面白いです。


『日本の名画41』講談社 1974
3「ゴルフをする自画像」1927
何かをしている自分が一番自分らしい
自画像は上半身のものが多いですが、こんな表現もあります。

たくさんの資料を選書して気がついた事がありました。
「自画像は有名な画家のものしか残らない」
あたりまえですね、無名の画家は残すすべがありません。
では、無名の自画像は意味がないのでしょうか。
そんな事はありません。そうだとしたら、高校生が自画像を書く意味もない事になります。
無名の自画像はどこにあるのだろうか、と考えました。


無言館の詩 戦没画学生『祈りの絵』. 第3集 

窪島 誠一郎 著 
講談社 
2001/07 

自分たちと同世代の無名の学生の表現です。
彼らが何を考え、何を残したか。
どうぞ参考にして下さい。


              (東京学芸大附属高等学校 司書 岡田和美)

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