[戦争について考える」
2020-07-12 14:14 | by 金澤(主担) |
6年生に「戦争について考える」というテーマで本を紹介しました。今回は、読み物に限定しての紹介です。戦争の事実を知るということだけではなく、その本を読んで戦争について考えて欲しと思い選んだ本です。
『ゾウと旅した戦争の冬』マイケル・モーパーゴ(作)杉田七重(訳)徳間書店
リジーは、第二次世界大戦下のドイツで母と弟と三人で暮らしていました。父は、ロシア戦線へ行って不在だったのです。動物園で働いていた母は、ある日、子象を連れて帰ってきました。戦争が激しくなり、猛獣は射殺されることになったため、母は、子象を守るために家に連れてきたのでした。しかし、空襲で家を失ったリジー一家は、その子象と一緒に安全な場所へと逃げることになりました。途中、敵国の兵士と出合います。複雑な気持ちのリジーでしたが・・・
介護施設に入所しているリジーが、介護職員とその息子に16歳の頃に体験した戦争を語るという形式で話が進んでいきます。
『ゾウと旅した戦争の冬』マイケル・モーパーゴ(作)杉田七重(訳)徳間書店
リジーは、第二次世界大戦下のドイツで母と弟と三人で暮らしていました。父は、ロシア戦線へ行って不在だったのです。動物園で働いていた母は、ある日、子象を連れて帰ってきました。戦争が激しくなり、猛獣は射殺されることになったため、母は、子象を守るために家に連れてきたのでした。しかし、空襲で家を失ったリジー一家は、その子象と一緒に安全な場所へと逃げることになりました。途中、敵国の兵士と出合います。複雑な気持ちのリジーでしたが・・・
介護施設に入所しているリジーが、介護職員とその息子に16歳の頃に体験した戦争を語るという形式で話が進んでいきます。
『かくれ家のアンネ・フランク』
ヤニー・ファン・デル・モーレン(作)西村由美(訳)岩波少年文庫
この本は、アンネ・フランク財団の協力を得て、アンネの日記や歴史的な資料や事実に基づきながら、アンネの幼少期から強制収容所での最後までを描いた本です。アンネが、隠れ家で暮らしながらも一日一日を大切に過ごしている姿に心が痛みます。アンネの日記の引用だけではなく、各章ごとに社会情勢やアンネの家庭の状況なども述べられているので、歴史的背景も知ることができます。
『アンネの日記』の書名を知っている子は、この本にも興味を持ち「読んでみたい」と言ってきました。
『ヒトラーと暮らした少年』ジョン・ボイン(作)原田勝(訳)あすなろ書房
両親が亡くなり、一人になったピエロは、孤児院へ入りました。しかし、おばさんがいることがわかり、おばさんと暮らすことになりました。おばさんは、ヒトラーの家で仕事をしていたのです。おばさんに、「ここでは、ユダヤ人の親友がいることを決して話してはいけない」と言われました。ピエロは、はじめヒトラーに違和感を感じていました。しかし、徐々にヒトラーに憧れを抱くようになります。権力を持つことに優越感を感じていくピエロ。ヒトラーに憧れを抱くようになっていくピエロの心の変化が良く描かれています。
『弟の戦争』ロバート・ウェストール(作)原田勝(訳)徳間書店
弟のアンディは、けがをしたリスを見つけたら、どんなに用事があっても、助けてあげるまでは他のことはしませんでした。難民の子の写真を見ると「助けてやって」としつこく迫りました。アンディは、このようにとても優しい子でした。また、アンディは、会ったことのない人の気持ちや名前までわかってしまう不思議な力を持っていました。1990年、12歳になったアンディは、「自分はイラク軍の少年兵ラティーフだ。」と言い出しました。丁度、湾岸戦争が始まった時でした。徐々にラティーフでいる時間が長くなっていくアンディを救うために兄のぼくにできることは?
『ある晴れた夏の朝』小手鞠るい(作)偕成社
アメリカ在住の著者が、コミュニティセンター主催のカルチャーイベントで公開討論会(ディベート)に参加したアメリカ人の高校生を描いています。テーマは、「戦争と平和を考える」ヒロシマとナガサキへの原爆投下の是非を問うということでした。肯定派と否定派に4人対4人に分かれて意見を戦わせます。日系人、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系とルーツは様々な8人が、議論していきます。事実を調べ、意見を組み立てていきます。どちらのチームがディベートに勝つのか、ハラハラしながら読み進めていくことができます。また、この8人と一緒に原爆投下について、戦争について一緒に考えて欲しいと思った一冊です。
この実践は、2月に行ったものです。中学生になる前にと考えて本を選びました。一番目に紹介した本で、ゾウと一緒に逃げるという意外性に子どもたちは、ビックリし「どうなるんだろう?」という顔で聞いていました。最後の『ある晴れた夏の朝』では、ディベートの結果が知りたかったようです。
6年生ともなると、紹介の後にわっと本に手が出るわけではありませんが、その時に気になった本を後で借りに来る子もいます。紹介した本のリストを配っておくことが大切だと思いました。
(東京学芸大学附属世田谷小学校 司書 金澤磨樹子)