星がきれいですね
2021-01-11 15:26 | by 中村(主担) |
2020年12月6日、小惑星探査機はやぶさ2が、約6年に及ぶ宇宙の旅を終えて地球に帰還しました。持ち帰ったカプセルからは、黒い砂や石など小惑星リュウグウ由来のサンプルが確認され、ミッションは見事な成果を収めました。このニュースは、閉塞感の漂うコロナ禍の世の中に明るい希望を届けてくれました。
星の美しい季節です。時には夜空を見上げて、遠い星々に思いを馳せてはいかがでしょう。今月は星に関係した本をご案内します。
まずは安野光雅さんのあたたかな絵本の紹介から…。
◀『天動説の絵本-てんがうごいていたころのはなし-』
安野光雅 (福音館書店) 1979年
昔、地球は世界の中心にあり、夜空の星も太陽もすべて地球を中心に
回っていた、そんな天動説が信じられていた時代からこの絵本は始まり
ます。今では当たり前の地動説が、当時の常識や宗教観によって受け入
れられなかったこと、異端視され迫害を受けながらも真理を追究しよう
とした科学者たち、私たちの立つ大地がページをめくるごとに少しずつ
球形になっていく様子が、緻密な絵で描かれています。巻末の解説には
中学生の学習にも充分通用する知識がまとめられています。
時間があればこの絵本に登場するコペルニクスやガリレオと同じように、宇宙の謎に迫ろうと星空を見上げた日本人を紹介してもいいでしょう。
『月のえくぼを見た男ー麻田剛立ー』鹿毛敏夫 (くもん出版) 2008年▶
月面のクレーターにその名が付けられている江戸時代の天文学者・麻田剛立。
日本の近代天文学の礎を築いた麻田の生涯と、彼の生きた時代を描いた歴史物語。
星の美しい季節です。時には夜空を見上げて、遠い星々に思いを馳せてはいかがでしょう。今月は星に関係した本をご案内します。
まずは安野光雅さんのあたたかな絵本の紹介から…。
◀『天動説の絵本-てんがうごいていたころのはなし-』
安野光雅 (福音館書店) 1979年
昔、地球は世界の中心にあり、夜空の星も太陽もすべて地球を中心に
回っていた、そんな天動説が信じられていた時代からこの絵本は始まり
ます。今では当たり前の地動説が、当時の常識や宗教観によって受け入
れられなかったこと、異端視され迫害を受けながらも真理を追究しよう
とした科学者たち、私たちの立つ大地がページをめくるごとに少しずつ
球形になっていく様子が、緻密な絵で描かれています。巻末の解説には
中学生の学習にも充分通用する知識がまとめられています。
時間があればこの絵本に登場するコペルニクスやガリレオと同じように、宇宙の謎に迫ろうと星空を見上げた日本人を紹介してもいいでしょう。
『月のえくぼを見た男ー麻田剛立ー』鹿毛敏夫 (くもん出版) 2008年▶
月面のクレーターにその名が付けられている江戸時代の天文学者・麻田剛立。
日本の近代天文学の礎を築いた麻田の生涯と、彼の生きた時代を描いた歴史物語。
さて、この季節、夜空にはどんな星が見えているでしょうか。子どもたちに質問して冬の星座が挙がったら、その星々にまつわる神話や伝説を読み語りしてみましょう。
『星座の神話と伝説がわかる本』宇宙科学研究倶楽部/編 (学研プラス) 2016年▶
星座の成り立ちや伝説を豊富なビジュアルで紹介。ギリシア神話だけでなく
様々な国に伝わる星の伝説が読めたり、星座のみならず惑星に関するお話も
あったりと、読み物としても図鑑としても楽しめる1冊。
皆さんの心が教室を離れて大空へと浮かび上がったところで、ここからは宇宙や星が物語のキーとなる、中学生におすすめの小説をご紹介します。
◀『ペンギンは空を見上げる』八重野統摩 (東京創元社) 2018年
NASAのエンジニアを目指す小6のハルと金髪の転校生イリス。クラスで孤立している
2人の距離は、あるきっかけで少しずつ縮まります。小学生ながらも健気に、懸命に
宇宙を志すハルとイリスですが、読み進めるうちにふと感じる違和感…。その正体に
気づいたとき、胸がじんわり熱くなって、きっともう一度読み返したくなるはず。
◀『麻布ハレー』松久淳/田中渉 (誠文堂新光社) 2017年
アンテナのない無線機が伝えたモールス信号。不思議な東北の民話。76年に一度だけ
訪れる出会い…
文学青年と宇宙が大好きな少年が天文台で出会った、謎めいた女性。彼女はやがて
青年の生き方を変え、星は少年の生き方を決めるのでした。1910年の東京・麻布を
軸に、1933年、1986年、そしてどこかの未来が交差する、切ないラブストーリー。
◀『星々の蝶』ベルナール・ヴェルベール(NHK出版) 2008年
壊れゆく地球に絶望し、人類の未来を信じて遥か彼方の惑星を目指し1000年の旅に出た
人々を描いたSF小説です。町がすっぽり入るほどの大きな宇宙船に乗り込み、何世代も
かけてただひとつの星をめざす地球人たち。繰り返される過ちの中でも希望を持ち続け
ついにその星に手が届くとき、そこにはいったい何があったのでしょう。
星や宇宙をテーマにした小説には素敵なお話がたくさんあります。表紙の美しいものも多いので、星に興味を持ったらぜひ手に取ってみてください。
それでは最後に、近刊から1冊ご紹介。
◀『宇宙飛行士選抜試験ーファイナリストの消えない記憶ー』
内山崇 (ソフトバンククリエイティブ) 2020年
2008~2009年におこなわれた第5期JAXA宇宙飛行士選抜試験。最難関試験のファイナ
リスト10人に選ばれ、宇宙船“こうのとり”フライトディレクタとしても宇宙開発に携わ
ってきた著者が、宇宙への憧れ・厳しい選抜試験とそこで生まれた絆・積み重ねてきた
気の遠くなるような時間や手の届きかけた夢について語ります。
史上最多応募者・最難関だった前回の選抜試験から13年…第6期JAXA宇宙飛行士選抜試験が、2021年、つまり今年の秋に募集開始となります。宇宙への道を切り拓いていく熱い人々から、今後も目が離せません。
(東京学芸大学附属竹早中学校 司書 中村誠子)