わたしたちのまちをたんけんしよう
2022-03-14 06:55 | by 村上 |
今月は、目黒区立五本木小学校の学校図書館支援員 花川智子さんに執筆をお願いしました。
今回は、2年生の図書の時間に行った、SDGsの視点を取り入れたブックトークを紹介します。
「わたしたちのまちをたんけんしよう」
1.「まちのしくみ バックヤード絵ずかん」 モクタン・アンジェロ絵 こどもくらぶ編 2016年
スーパーマーケットは、何時に開店か聞いてきましたか?では、お店の人は一体何時から仕事をしているのでしょう?
お店にお客さんが来る前から、品物を出す人、大きい野菜を切り分ける人、魚や肉を切り分けてパックする人、値段をつける人などがいます。お惣菜やお弁当を作る人などは朝7時くらいから仕事をしているそうです。品物がなくなると困るので裏には倉庫もあります。品物が倉庫に余り、売れないのも困るので、本当は売り場が在庫置き場なのが一番だと、品物を管理する人は言っています。(SDGsの目標12つくる責任 つかう責任)
お客さんからは見えない仕事場のことをバックヤードと言います。この本には、他にみんなも行った駅や、回転すし店、動物園のバックヤードの様子も紹介しています。
2「こえをかければよかったのに… ~身体障害者とのかかわり~」 NHK Eテレ「u&i」制作班編 西田征史原作 鈴木友唯絵 ほるぷ出版 2020年
街探検をして、たくさんの自転車が決められた場所ではないところに置かれているのを見ましたか?みなさんは、あぶないところがあれば、よけて通ることはできますね。もし、目が見えなかったり、車いすだったらと考えてみましょう。どんな手助けが欲しいと思いますか?困っていそうな人がいたら、どうすればいいでしょう?
この本の中に出てくるアイくんは、町で車いすの人を見かけるのですが、何もしないで通り過ぎます。でも、本当はどうしたらよかったのか、気になっています。「勇気をもって」声をかけるという大げさなものではなく、気軽に声をかけてみて、と夢の中で教えられますが、気分を悪くされるのではと余計に心配になります。そこで、まずは一言「おこまりですか?」と声かけすれば、子どもでもお手伝いできることがあるかもしれないのです。
誰かが困っていたら、声をかけられるといいですね。(SDGs10 人や国の不平等をなくそう)
3.「江戸のお店屋さん その参」藤川智子 ほるぷ出版 2016年
お豆腐屋さんにも行きましたね。実はお豆腐屋さんは、江戸時代からお豆腐屋さんでした。朝ごはんに間に合うように朝4時ごろから準備をしていたそうです。この本によると、今はあまり見ないお豆腐料理が江戸時代にはたくさんあったようです。作り方は、今と江戸時代と違うでしょうか?
それから、今は靴を履いていますが、江戸時代は何を履いていましたか?ここには下駄屋さんも載っています。今のような道ではなく、雨で道がぬかるんでいたりしたので、江戸では下駄が普段のはきものでした。履く人に合わせて鼻緒を調節してくれました。鼻緒が切れたら、修理もしてくれます。そのほか、扇子を売る店、ちょうちん屋、両替屋など江戸のお店屋さんの様子と暮らしがわかる本です。
(SDGs9 産業と技術革新の基盤をつくろう)
4.「ぼくのまちをつくろう」スギヤマカナヨ,理論社 2015年
さて、「自分たちがまちをつくるとしたら、どんなものが必要でしょう?」
全部読んでみます。見返しにワークシートになる地図がついています。みんなが楽しくて、幸せになるには何があったらいいですか?考えてみませんか?
(SDGs11 住み続けられるまちづくりを)
学校図書館は、様々な日常生活の場面からSDGsと結びつける視点を意識して、本の展示と掲示を行い、発信してきました。(五本木小学校図書館の様子はこちらを参照ください。)このブックトークも、SDGsを単に目標を覚えさせることはせず、身の回りのこと、地域のこと、社会全体のこと、地球環境について、自らが問題を見つけ、考え、さらにジブンごと化できるようになってほしいと考えました。特に低学年には、多くの課題が山積するSDGsの深刻な話をすることより先に、近くにある自然、生き物の素晴らしさ、身近な人たちとの交流が大切としています。
紹介した本のSDGsの目標のアイコンは、ブックトークでは、特に説明せず、配布するブックリストにアイコンを表示しました。視点を変えれば、その他の目標にも結びつけて考えることができます。今回は、学習内容に沿ったものとしてあえて1つ選びました。
(東京都 目黒区立五本木小学校 学校図書館支援員 花川智子)