雨のふる日は

2023-06-07 14:30 | by 松岡(主担) |

 6月になり、地域によっては梅雨入りも発表され、雨の多い季節になってきました。
雨の日はなんとなく気が晴れませんが、雨の音やにおい、雨の降る様子はどこか想像力をかきたてられます。
 雨がたくさん降ってくると、いつもの風景も変わってきます。







『あめがふるふる』

田島征三
フレーベル館 2017年

 「あめがふるふる」という音とともに、田島征三さんのダイナミックに描かれた雨の日の様子が楽しい作品です。雨のふる日、ネノくんとキフちゃん兄弟はおるすばん。雨がふる様子を窓から眺めていると、雨音とともに不思議な光景が広がります。

 暑くなってくると突然たくさんの雨が降ってくることもあります。「ゲリラ豪雨」などともいわれますが、どしゃぶりの雨からはまた違った音が聞こえてきます。







『どしゃぶり』
おーなり由子/文 はたこうしろう/え
講談社 2018年

 突然降ってきたどしゃぶりの雨。雨の音を聞きながら、雨の様子をからだいっぱいで感じる男の子はずぶぬれですが楽しそうです。でも、実際にやるとおうちの人に心配されてしまうかもしれませんね。

 『どしゃぶり』で傘に雨が当たる音が描かれていましたが、雨の日は傘が大事なアイテムです。お気に入りの傘はありますか?このお話に登場するおじさんは自分の傘が気に入りすぎて大事にするあまり、雨が降ってきても傘をささないそうです。でも、ある女の子がうたう歌が気になって、ついに傘をさしてみることに。







『おじさんのかさ』
佐野洋子/作・絵
講談社 1992年

 普段は傘立ての中にいますが雨の日は大活躍の傘。ではこの「かさ」たちはどんなことを考えているのでしょうね?小学1年生のハルくんの黄色いかさは折りたたみ傘にあこがれたりビニール傘にあこがれたり、ちょっとだけ冒険もしたくなっているようです。







『雨の日は、いっしょに』
大久保雨咲/作 殿内真帆/絵
佼成出版社 2020年

 雨の日のお話を読むと、どんよりした空模様でもちょっとちがった目線で見てみたり、雨の音に耳を傾けたりすることができて気分が変わるかもしれません。
 季節に合った物語を読んで、季節を感じながら読書を楽しんでくださいね。

(東京学芸大学附属小金井小学校 司書 松岡みどり) 

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