学校図書館でブックトークをしてみよう
2014-04-01 13:18 | by 岡田(主担) |
「授業のカリキュラムとして学校図書館で生徒にブックトークをさせてほしい」との依頼を受けました。
事前の聞き取りで、ブックトークを未経験の生徒もいましたので、実際に高校図書館で行ってみました。生徒と同様のテーマですと「司書の影響を受けて個性のあるブックトークにならないのでは」と考え、あえて生徒が選ばない内容を選択しました。
テーマは「つながる」です。
事前の聞き取りで、ブックトークを未経験の生徒もいましたので、実際に高校図書館で行ってみました。生徒と同様のテーマですと「司書の影響を受けて個性のあるブックトークにならないのでは」と考え、あえて生徒が選ばない内容を選択しました。
テーマは「つながる」です。
「Number」文藝春秋
いよいよ、W杯が近づいてきました。日本中が応援する事と思います。
附属高校図書館にあるこの雑誌も大変人気があります。少し前まではソチ•オリンピックが特集されていました。「日本代表」の選手が出てくると皆が熱くなるのはなぜでしょう?日本人だから当然!! でも、待って下さい「自分の国」という意識が出て来たのはいつ頃からでしょうか。島国ではない外国では国境や国名もたびたび変化しています。よその国の人は何を根拠に声援を送るのでしょうか。
「国民国家とナショナリズム」 谷口稔 山川出版 1999
グローバル化といわれる今日、人は何をもとに今後つながっていくのでしょう。
地域や血縁とはもともとどのような形をしていたのでしょうか。
明治以降の日本がお手本とした近代ヨーロッパに焦点を当てて解説した本です。
参考文献が充実しています。詳しく知りたい人はそちらも読んでみて下さい。
「春になったら苺を摘みに」梨木香歩 新潮社 2002
「西の魔女が死んだ」「僕は、そして僕たちはどう生きるか」「家守綺談」他14冊ほど附属高校図書館に蔵書があります。梨木さんは高校生に人気のある作家の一人です。この本は梨木さんの英国留学の際のとても個人的な体験が書かれています。が、真のグローバルとは何か、国際理解とは本来どのような事なのかを端的に表現しています。
ナイジェリア人に「自分は日本に行った事があるが、みんな土間で寝ている」と言われた梨木さんはどうしたか。クリスマスのプレゼント交換の意味が理解できず、差額を真剣に要求するユーゴスラビア出身のコソボ難民との生活。生きて来た土台の違う人達との交流をユーモアと知性を交えて書かれています。本校の生徒は留学する人も多いですね。是非この本を読んで、海外へ行ってみて下さい。
「IS」六花チヨ 講談社 2003
男でも女でもない性をもった主人公のまんがです。テレビで連続ドラマとして放映もされました。(ISの定義は難しく、今も確定はしていません)
主人公は回りに理解され、容認してほしいと切に願います。同時に自分とは何ものなのかの問題に直面します。理解してほしいと手を差し出された時に、あなたは相手を不確かな存在のままで受け入れる事が出来るでしょうか。
「コミュニケーションのレッスン」鴻上尚史 大和書房 2013
「コミュニケーションは技術だ。練習すれば運動と同じ様に上達する。」と鴻上さんはいいます。附属高校の文化祭でも鴻上尚史さんの脚本はよく上演されます。こんなメッセージが生徒に人気のある理由かもしれません。
「交渉する」の章では「語りたい思い」と「伝える技術」をセットにして磨きましょう、と書かれています。
今の私達が「つながる」という言葉で連想するのはSNSだったりしますね。
それらも含めて、多様なコミュニケーションを豊かにする方法が具体的に書かれています。
(東京学芸大学附属高等学校図書館司書 岡田)