「新書」ってどんな本?

2018-03-06 16:33 | by 渡辺(主担) |

 3学期に中1が「新書」でビブリオバトルをすることになり、学年の先生から「新書がどういう本なのかを紹介するブックトークをしてほしい」という依頼がありました。そのときのようすをかいつまんでご紹介します。

司書「1年生の皆さん、こんにちは!1学期、2学期には自分の好きな本でビブリオバトルをおこなったと思います。でも3学期には゛新書" の本でビブリオバトルをするそうですね。私がまず手にしているこちらの本は、まさに題名が『ビブリオバトル』(谷口忠大 文春新書)です。ビブリオバトルがどういう活動なのかという説明はもちろん、あちらこちらでおこなわれるようになった歴史も書かれています。」

そしてさらに・・・

司書
「こちらの2冊『ジャニーズと日本』(矢野利裕 講談社現代新書)、『自分の顔が好きですか?』(山口真美 岩波ジュニア新書)も見てください。今、皆さんに見せた3冊には、共通する点があります。何だと思います?」
生徒「全部、~!」
司書「・・・・・。そうなんです。どれも本、には違いないのですが、ではこの3冊を全部重ねてみましょう。さて、どうでしょうか?」
生徒「全部、同じ大きさ~!」
司書「そうなんです。実は、゛新書”というのは、特定のジャンルの本をいうのではなく、このサイズ(11×18)の本、いわゆる新書判のことをいうのです。けっして、″新着図書”を略して新書というわけではありません」

司書「では、どいう内容のものが新書になるのでしょうか。皆さんがよく借りる文庫本は小説がとても多いです。でも、新書にとりあげられるのは、専門分野の入門書的内容です。先ほど紹介した『ジャーニーズと日本』という新書は、けしてジャニーズに所属しているタレントを紹介した本ではありません。戦後日本の大衆文化をひっぱってきたジャニーズが、日本の音楽界にもたらしたことを専門的に研究、分析をした内容です」

司書「でも、いきなり専門的分野の内容を読むのは難しいという人には、新書のなかでも中高生にも読みやすいジュニア向けに書かれた新書をおすすめします。先程紹介した『自分の顔が好きですか?』は、岩波ジュニア新書といって、大人向けに書かれた岩波新書とは異なり、専門分野の内容をかみくだいてわかりやすく書いています。「ちくまプリマー新書」も同様に10代の皆さんにも読みやすいでしょう。新書にも難易度があるということをぜひ覚えておいてください。新書は0類から9類の文学についての専門書まで、さまざまな分野があります。自分の興味関心のある分野の新書で、ビブリオバトルに挑戦してみましょう!」

(東京学芸大学附属国際中等教育学校:渡邊有理子)

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