がんばれ!ヒキガエルくん

2018-06-08 11:28 | by 松岡(主担) |

梅雨の季節となりました。
季節にちなんだ生き物たちの本をその都度紹介していますが
6月に「カエル」の本を紹介しました。

小学3年生の図書の時間、
「カエルは好きですか?」の質問に
「好き!」「きらーい!」と半々くらいの声が挙がりました。
生き物の中でも人気が分かれる?カエル、中でもアマガエルはかわいくてもヒキガエルはこわい
と思われるようで、始めにそんなヒキガエルにスポットライトを当てた絵本を読みました。









『イボイボガエル ヒキガエル』
三輪一雄/作・絵
偕成社

アマガエルとヒキガエルのちがいをユニークな語り口で比較しながら
生態や特徴を詳しく紹介している絵本です。

自然の中で生き抜くために敵から身を守り、乾燥にも強い体をもち「しぶと~く生きとる」ヒキガエル。
町や都会での最大の敵は「車」だと言います。

ヒキガエルは足に吸盤がなくジャンプ力もないので深い溝に落ちるとあがることができない、ということを
この本で知りました。
また、春先の産卵の時期に池に向かう途中で車にひかれてしまうということも知りました。
道端で遭遇するとぎょっとしますが、ヒキガエルの生態を知ると「頑張れ!」と応援したくなります。

本の中でアマガエルとヒキガエルのオタマジャクシの比較がありました。
そこで写真絵本で比較している本を紹介しました。









『ずら~りカエル ならべてみると…』

松橋利光/写真 高岡昌江/文
アリス館

オタマジャクシの比較の他、親子あみだくじ(オタマジャクシをあみだでたどっていくとどんなカエルになるかわかる)もあり、違いが楽しめる写真絵本です。

また、カエルを見比べられるカエルの図鑑も紹介しました。








『地球のカエル大集合!世界と日本のカエル大図鑑』

松井正文/監修 関慎太郎/写真・文
PHP研究所

カエルが主人公の物語は色々あり、アーノルド・ローベルのがまくんとかえるくんのおはなしや
『火曜日のごちそうはヒキガエル』のウォートンとモートンの物語は定番ですが
機会があるごとに薦めているのでここぞとばかりに紹介しました。








『火曜日のごちそうはヒキガエル』
 ラッセル・E・エリクソン/作
 ローレンス・ディ・フィオリ/絵               
 佐藤涼子/訳
 評論社         
                     
                          




                    
                   『ふたりはともだち』
                 アーノルド・ローベル/作 三木卓/訳
                    文化出版局

科学読み物として興味深かったのはこちらです。









『カエル合戦』
久居宣夫/著 吉崎正巳/画
福音館書店

ヒキガエルは産卵の時期になると池に集まって産卵をする「カエル合戦」とよばれる習性があります。
なぜヒキガエルたちは「カエル合戦」をするのだろう?という疑問から
目黒区にある自然教育園のヒキガエルたちに目印をつけて生態や習性などを調べまとめられた一冊です。
問題提起から調査の過程、結論までの流れがとてもわかりやすく書かれている本でした。

冒頭で子どもたちに投げかけた質問を自分に返すと私自身カエルは苦手です。
でも、これらの本を紹介しながらヒキガエルの健気でたくましい生き様を垣間見て
少し見方が変わりました。
次に道端で遭遇したら頑張って池にたどり着けるようエールを送りたいと思います。

(東京学芸大学附属小金井小学校 司書 松岡みどり)

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