心があたたまる本(大学生によるブックトーク)

2019-02-11 17:21 | by 井谷(主担) |

 東京学芸大学附属小金井中学校では、金曜日昼休みの開館を、図書館情報学演習を受講している大学生が担当してくれています。2年目となった今年度は、展示や新聞のほか、ブックトークも何度か実施してくれました。今月行った昼休みのブックトークの様子を、大学生にレポートしていただきます。


 冬の厳しい寒さが続くということで、今回は「心があたたまる話」をテーマにブックトークを行いました。

 一冊目は、『わすれられないおくりもの』スーザン・バーレイ作絵 
小川仁央訳 評論社 
2003年11月です。
 年寄りのアナグマは寿命を迎えて亡くなってしまいました。森のみんなは優しくて物知りなアナグマを失い、悲しみにくれます。しかし、アナグマが森のみんな一人一人に、宝物となるような知恵や工夫を残してくれたおかげで、みんなは楽しくアナグマの話ができました。たとえ体が死んでしまっても、その人のことを覚えている人がいれば、その人は生き続けることができる、そんなことを教えてくれるお話です。


 二冊目は『家族シアター』辻村深月 講談社 2014年10月です。
 これは家族を描く心温まる短編小説が7編収録された本です。兄弟、姉妹、親子など、反発しあっていたり、うまく話せなかったり、様々な関係性の家族の関わりを描いた小説になっています。その中でも今回は『タマシウム・マシンの永遠』という、ドラえもんのひみつ道具がでてくる短編に焦点を当てて、家族の大切さについて話しました。





 三冊目は『おしまいのデート』瀬尾まいこ 集英社 2014年5月です。
 デートって男女で出かけることというイメージがありませんか?このお話で描かれているのは、孫とおじいちゃん、クラスメートの男子同士、教師と元教え子などちょっと変わったデートのカタチ。ただのお出かけではない“人と人とのつながり”が5つの短編になっています。






  次は人と動物とのつながりを描いた『もういちど宙へ : 沖縄美ら海水族館人工尾びれをつけたイルカフジの物語』岩貞るみこ 講談社 2005年2月です。

 2年前に原因不明の病気にかかり、尾びれの四分の三を失ったイルカが沖縄の美ら海(ちゅらうみ)水族館にいます。その尾びれを失ったイルカに人工の尾びれを与え、そしてジャンプをさせようとさせます。そのための試行錯誤は一頭のイルカを救うだけでなく、携わってきた人々全ての生き様を描き出しています。






 私たち大学生の話を真剣に聞いてくれている生徒さんのまっすぐな目が印象的でした。また以前、図書委員の男の子たちがブックトークをしてくれたため、今回も一緒にやらない?と声をかけると快く引き受け、二冊の本を紹介してくれました。全体のまとめもしてくれ中学生の話術や表現力に驚かされるばかりです。教育実習の中でも生徒さんたちの真正面に立って関わる機会はなかなかないので、とても貴重な時間でした。
                     (東京学芸大学 学生 加藤 里歩)


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