古文書の達人だけが知る歴史のウラ側

2018-04-07 16:23 | by 井谷(主担) |

テレビでおなじみの磯田道史先生が執筆した、話題の新書です。
『日本史の内幕 ~戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで~』
磯田 道史 
中公新書
2017.10.25

映画『武士の家計簿』『殿、利息でござる!』の原作者でもある磯田先生が、
読売新聞に連載した大変読みやすいエッセイです。

備前岡山の武士の家系だった著者の家には、先祖の残した書き物が眠っていました。実際に戊辰戦争に参加した高祖父の記録を読むと、岡山からどの道を通って京都まで行き、どうやって戦ったのか、何を褒美にもらって帰ってきたのかなどの細かい事実が書いてありました。そういう一次情報(古文書)に触れることで、年号の暗記や有名な人たちの動きだけではない歴史の実像が見えてきて、その面白さに惹かれていったということです。
また、NHKの大河ドラマより朝ドラの方が視聴率がいいのは、誰もが知っている偉人の人生より、あまり知られていない女性の一生の方が興味深いからではないかと考え、
ならばよく知られていない人物を大河ドラマの主役にしたら良いのでは?と、何人か候補を挙げたうちの一人が「女城主直虎」だったという、興味深い話も載っています。

何より、磯田先生が最初に先祖の古文書を読んだのが15歳の時だったという一文には、
「これ、使える!」と喜んでしまい、
早速今年の3年生の図書館オリエンテーションの中に盛り込みました。
  (東京学芸大学附属小金井中学校 司書  井谷 由紀)

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