シュレディンガーの猫
2020-08-29 22:11 | by 杉本(主担) |
6月に入り、分散登校の中、感染対策の上、学校図書館開館をスタートするとさっそく、生徒からカウンターへ本のおたずねがありました。
「このアニメの原作、ありますか?」と、カウンターに差し出してくれた紙には『シュレディンガーの哲学する猫」と書いてありました。「漫画なんですけれどとても面白くて原作があるみたいなのです。」ということで、カウンターのPCで検索してみると、下記の本がでてきました。
『シュレディンガーの哲学する猫 シュレ猫とコトハ』新崎美幸著、竹内薫原著、竹内さなみ原著,イーストプレス出版 2014年
哲学好きの先輩にあこがれる女子高生が突然現れた猫に導かれ、時空を超えて、さまざまな哲学者にであい、哲学の世界に足を踏み入れていくというファンタジーのようでした。(本の内容紹介より)
2名の原作者の名前がかかれているので、原作を探すと,
『シュレディンガーの哲学する猫』竹内薫著 竹内さなみ著 2008年 中公文庫
がヒットしました。
内容紹介には 「ある作家のもとに現れた哲学者の言葉を語る不思議な猫と作家が時空を超えて哲学の諸問題を紹介する冒険ファンタジー。」とあり,こちらがコミックの原作のようでした。
また同書名、同作者と思われる
『シュレディンガーの哲学する猫』竹内薫著、S
ANAMI著 徳間書店もあり、こちらは1998年に出版
されています。
この2冊とも学校では所蔵していなかったので、公共図書館横断検索アプリ「カーリル」をつかって、東京都内の公共図書館で上記の本を所蔵していないか調べたところ、生徒が本の予約ができそうな館がみつかりました。その図書館の検索HPの該当の本のページをプリントしてわたし、コロナ禍でもオンライン予約受け付けをしている地域図書館の利用をアドバイスしました。
「あの本を借りることはできたかしら?」と思い出しているある日、ライトノベルの売れ筋ランキング一位に、あるタイトルが目に飛び込んできました。
『シュレディンガ-の猫探し』小林一星著・左イラスト
ガガガ文庫 小学館 2020年6月発行
もしかしたら、依頼の生徒はこれを読みたかったのかな?と大変気になっています。
休み時間でのあわただしい対応だったので名前を聞き忘れてしまったことを後悔しました。また、この生徒と会えた時はガガガ文庫のことを聞いてみたいと思います。
生徒からの質問や要望は生徒の今を表現しています。「文豪ストレイドッグス」で、近代の文豪の本が読まれたように、次には「哲学者」の本のブームがくるのかもしれません。
(東京学芸大学附属小金井中学校 司書 杉本)