3年公民ー模擬委員会のための資料

2020-11-10 20:26 | by 村上 |

 2学期に入り、3年生の社会科の先生から、11月ごろ、生徒に法案を作らせる授業をしようと思っているんですよ…と声をかけられました。まだ先とはいいつつ、国会のしくみや、法律に関する本を抜き出し別置しました。授業の1ヶ月ほど前に、授業案を持って図書館にいらした先生から提示されたテーマは次の6つでした。
 ① グローバル化「オーバーツーリズムについて」
 ② 少子高齢化「高齢者ドライバーについて」
 ③ 情報化「中学生のスマートフォン所持について」
 ④ 伝統文化「伝統文化継承について」
 ⑤ 両性の平等「政治家の女性人数について」
 ⑥ 自己決定権「尊厳死・安楽死について」

 どれも、現代的課題ですが、まずは資料を準備する前に確認するのが、公民の教科書です。たまたま、最近著作権第31条に関心を持っていたため、法案がどのように作られていくのか、ざっくりと理解していましたが、きちんと理解しているかと言われれば、司書の私も危うい限り。授業支援は、司書を鍛えてくれる格好の機会と言えます。


 自館の資料で使えそうなものを抜き出したあとは、関連書籍としてどのようなものがあるかを調べます。ネット書店や、カーリルのような公共図書館の蔵書を横断検索できるシステムが役立ちます。世田谷区は1回の予約が15冊までなので、2回に分けて予約をしました。今後も使えそうな資料は購入を決めました。たとえば”『オーバーツーリズム;観光に消費されないまちのつくり方』(高坂晶子著 学芸出版 2020)や、岩波新書の『女性のいない民主主義』(前田健太郎著 2019)等です。

 資料が少なそうなテーマは、契約している新聞データベースで、検索をかけ使えそうなものをいくつか印刷し、オープンアクセスとなっている論文もCiNiiで3点ほどダウンロードして準備しました。

 6つのテーマを附属学校の中高の司書さんにも伝えて、学内便で送ってもらうことができました。準備した資料を、リストアップし、担当の先生にお見せしたところ、これだけあれば十分ですとのこと。1時間めは印刷資料のみ、2時間目はタブレットも使用可としました。

 調べる時間は図書館で…と当初は考えていたのですが、感染防止策ということで、前半図書館、後半教室でとなりました。なかなか難しい課題にもかかわらず、どの班も熱心に調べ、話し合っていました。その後の教室での授業も、もっか見学させてもらっている最中です。予定では、6つのうちの1つに絞られ、選ばれた班が与党として法案を提出、他の生徒は野党の議員として、この法案についてリサーチを行ったうえで、模擬委員会に臨みます。そのため、もう1時間、さらに調べる作業が入るそうです。

 今回の「模擬委員会」の授業は、後日事例にアップする予定です。このように、様々な資料を活用しながら、自分たちの意見を考え、それを討論を通して、修正し、合意形成していく過程を実感を持って学べる機会は貴重であり、それを資料面から支援できることは、学校司書として、とても嬉しいことです。
附属世田谷中学校司書 村上恭子

次の記事 前の記事