海底の地形を見たい!

2020-12-10 16:02 | by 杉本(主担) |

ある日、カウンターに「海底の地形が載っている本はありますか?」との質問がありました。学芸大学附属小金井中学校では、課題研究という講座が開かれており、2年生は希望する特別講座を受講します。質問の生徒は「鹿児島学」という講座を受講し、生物境界線「渡瀬線」が設定されていることを知り、その海底がどのようになっているか確かめたくて図書館を訪ねてくれました。

「渡瀬線」とは屋久島、種子島と奄美諸島の間に東西にひかれた生物境界線で、この線の北と南ではその生物相には大きな違いがあるそうです。なかでも脊椎動物の違いが大きく、ニホンザルやニホンジカなどは、渡瀬線以北、有名な毒蛇ハブ属は「渡瀬線」以南にしか存在しないそうです。

さっそく館内の所蔵資料の中から、海底の地形が載っている本を探しましたが、地上の地形の本はありましたが、海底地形の載っている本がなかったため、少し前に出版された『日本列島水をとったら?海の底にも山がある!』(加藤茂、伊藤等監修 徳間書店 2015)を思い出し、いつもお世話になっている公共図書館に予約をいれました。


また今年度秋より活用しているGAKUMOPAC(学芸大学総合目録)をつかい、附属学校の蔵書を検索し類書を捜し、こちらで知った本も含め近くの公共図書館から借りることにしました。とはいっても公共図書館からの貸し出しは早くて翌日、離れた分館からのとりよせは数日かかります。はやく答えの知りたい生徒や児童には早急な情報提供も必要とされるところです。

そこでとりあえず、Google earth から海底の地形をPC上から見ることができることと、海上保安庁海洋情報部のプレート境界域の精密海底地形図HPアドレスも紹介し、公共図書館から資料が届いたらすぐに本人に連絡をすることを約束しました。

上記の一冊に加え、取り寄せた資料の中で他にも海底図を確認できたのは以下の2冊でした。

『3D地図でわかる日本列島地形図鑑』高田将志監修 成美堂出版 2019


『体感!海底凸凹地図』加藤義久,池原研監修 技術評論社 2019


 後日、海底図について調べていると、海洋保安庁海洋情報部が作成している
海洋情報システム 海しる/MSIL 

を見つけました。政府及び政府関係機関が収集・提供している海洋情報を利用できる便利なHPです。
 ひとつひとつのレファレンス結果を記録し、今後のレファレンスにも生かしていけるようにしたいと思います。

(東京学芸大学附属小金井中学校 司書 杉本ゆかり)


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