魅せる展示

2021-01-04 10:06 | by 岡田(主担) |

 3年生の男子生徒から「動物園の本はありますか」との相談を受けました。
3年男子が普段選ぶ本ではないので「動物園が好きなの?誰かと行くの?」とさりげなく選書の目的を聞いてみます。ここで注意ですが、たとえば「デートの下調べ」が目的の場合は、あまり深追いはしません。女子と違って男子生徒はめんどくさがるからです。
案の定、単純に「動物を見たい」ではなく、「探求学習のテーマで展示を学びたい」「大学でも環境関連の設計やデザイン建築を目指している」とのことでした。このようなレファレンスに生物学としての動物園を紹介しても意味がありません。そこで紹介したのが以下の本です。


『動物園を魅力的にする方法』Wolfgang Salzert 2018 文永堂出版 480.76サ

来園者の視点を大切にし、デザインの専門家が動物園への理解を深めるための展示とは何かが記載されています。出版年が新しいことも資料としての鮮度のよさを示しています。

実はこの本は所蔵していませんでした。
そこで生徒に、博物館学というジャンルがあること。
担っている人は学芸員と呼ばれていること。
資格が取れる大学もあることなども伝えました。
その上で、美術館、ミュージアムコミュニケーション、歴史展示などの様々な関連の本のブックリストを作成し、生徒に提供しました。リストをもとに生徒と相談し、意向を踏まえて購入した本です。このように、日頃のレファレンスから蔵書の充実を心がけ、生徒の学習につながる図書館経営を目指しています。
             
              (東京学芸大学附属高等学校 司書 岡田和美)

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