スパイ人気~日本語のモールス信号が載っている本ありませんか

2022-11-02 15:25 | by 宮崎(主担) |

 アニメ『SPY×FAMILY(スパイ・ファミリー)』(原作漫画は遠藤達哉作 集英社 2019)が人気なためか、このところスパイ関連の本を求める人が増えました。原作漫画は置いていないため、スパイ関連の本ということで、人気があるのは『スパイ図鑑』(へレイン・ベッカー ブロンズ新社 2009)『スパイ学 国際スパイになるために』(アンディ・ブリッグズ 今人舎 2016)のようなスパイに関する雑学ものです。スパイ用語や、変装のしかた、コードネームの例など、スパイものがすきならワクワクするような、情報が詰まっています。『スパイ事典』(リチャード・プラット あすなろ書房 2006)はスパイの道具などたくさんの写真が使われたビジュアル事典で眺めているだけで楽しいものです。

 
 これらの本を読んでいた、5年生のO君たちは、特に暗号に興味を持ったようです。暗号表を書き写したりしているなかで、「日本語のモールス信号が載っている本はありませんか?」と聞いてきました。どうやら『スパイ学』のなかに、モールス信号の説明として、「第2次大戦中、アメリカを混乱させた日本軍のモールス信号が、アルファベットでなく「いろは」をモールスにした、和文モールス信号だった」とあり、確かめたくなったようです。
 

 和文モールス信号が載っていたのはこの本でした。


『暗号学』(稲葉茂勝 今人舎 2016)
こちらには、アルファベットといろは両方のモールス信号が載っていました。暗号の歴史や種類、作り方まで魅力的な内容の本です。






また、『暗号クラブ』(ペニー・ワーナー KADOKAWA 2013)は、人気のある物語のシリーズですが、全巻の巻頭に指文字対応表、カエサル暗号表、手旗信号対応表、などが載っていて、和文モールス信号もアイウエオ順で載っています。
 同じ作者の新シリーズ『スパイ暗号クラブ』(ペニー・ワーナーKADOKAWA 2022) は、暗号クラブの面々がスパイ養成講座に参加することになり、よりスパイ要素の強いお話になっています。





『SPY スパイ伝説』(ポール・ダウズウェル ポプラ社 2009)
こちらは、世界史の裏で活躍した、実在のスパイたちのエピソードを集めた本です。KGBやCIA、MI6などの単語が出てきて、映画のような出来事が書いてありますが、どこまで事実なのか、想像を掻き立てられます。




 このほか、児童向けのスパイ小説も、『スパイガール』シリーズ アリー・カーター 理論社 2006)や、『ウソつきとスパイ』(レベッカ・ステッド 小峰書店 2015)などいろいろありますね。『スパイ・バレリーナ』(ヘレン・リプスコム 早川書房 2021)は、バレエ学校に入学したつもりが、実は裏の顔はスパイ学校、という変わった設定で、「空飛ぶチュチュ」なんていうトンデモな道具も出てくる面白い作品です。バレエを習っている子も多い本校で、薦めてみたいと思っています。

(東京学芸大学附属竹早小学校 司書 宮﨑伊豆美)

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