おこづかいアップ!大作戦

2023-02-13 19:05 | by 富澤(主担) |

 図書の時間に、4年生の男の子から「ポスターのつくり方がのっている本はありますか?」と聞かれました。

調べ学習や新聞関係なら0類、言語関係の8類にも、関連書がありそう、と思いつつ、用途によって作成するポスターの大きさや、まとめ方に特徴が出るのではないかと「何に使うの?探究プログラム[1]?何かの授業?」と聞いてみると、「お兄ちゃん、中学生なんだけど、おこづかいが足りないから、おこづかいを増やしてくれるように、お父さんとお母さんにプレゼンするんだ。」と、教えてくれました。「それなら、ぴったりの本があるよ!」ということで、紹介したのが『絵くんとことばくん(たくさんのふしぎ傑作集)』(天野 祐吉∥作/大槻 あかね∥絵、福音館書店、2006)です。

 4年生の優太くんのおこづかいは、500円。「これは少ない!1000円にして!」と、お母さんに言いたいけれど、口ではかなわないので、ポスターを作って、キッチンに貼ることに。どんな文言、イラストだと効果的だろうか?優太くんの頭のなかの〈絵〉くんと〈ことば〉くんが、議論を交わしながら、次々とポスター案を作成していきます。

 








 
  まさに、本の状況ほとんどそのままのレファレンスで、びっくりしてしまいました。本を開いて解説をしていると、何人かの男の子がのぞき込んできて、「あ、俺もこづかい500円!」「え、お前も?俺も。」などと会話をはじめるので、大変ほほえましい気持ちになりました。

質問してくれた本人は、大満足で借りてゆき、期せずして本校4年生男子のこづかい相場も垣間見えたレファレンスでした。果たして、お兄ちゃんのおこづかいは増えたのか!?作戦の成り行きが気になります。

 

(東京学芸大学附属大泉小学校 司書 富澤佳恵子)



[1]本校が実施している探究的な学びのためのプログラム。子どもが自ら問いをたて、探究していくことで、概念的に学びをつなげられるようになることを目指し、国際バカロレアの考えかたや、手法を取り入れながら、実践を重ねている。


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