ファッションの現在・未来

2023-06-07 16:22 | by 渡辺(主担) |

 高2の生徒がカウンタ―で『大量廃棄社会』仲村和代 2019年 光文社 の本を借りた際、「最近のアパレル会社についての本ってありますか?」と尋ねてきました。残念ながら生徒が求めている情報の新しいアパレル関連の蔵書はありませんでしたが、 ”大量廃棄”と”アパレル会社”という二つのキーワードから、「もしかして、衣類の廃棄について調べてますか?」と聞いたところ、「そうなんです。環境にやさしい衣類の製造や廃棄について調べているんです。でも食糧廃棄の本はたくさんあるけど、衣類はそんなにないですね・・・。」と。すでに書架を探しまわったようすが伝わってきました。
 これまで調べた資料を尋ねると「ファストファッション関係の本は何冊か読みました。」というので、「では、エシカルの視点からの資料を探してみましょう。」と検索して紹介したのがこちら。
『ファッションの仕事で世界を変える―エシカル・ビジネスによる社会貢献‐』白木夏子 筑摩書房 2021年     
 すると生徒は ファストファッションというキーワードはすぐに浮かんだけど、エシカルというキーワードから探すって思いつかなかったです。やっぱり自分で探すだけではなく司書さんに聞いてみるっていいですね!」と言ってくれました。                                                                                                                    

 ちなみに、すでに生徒は目を通していた「ファストファッション」関係の資料はこちらです。
『990円のジーンズがつくられるのはなぜ?』長田華子 2016年 合同出版(画像:左)
『ファストファッションはなぜ安い?』伊藤和子 2016年 コモンズ(画像:中央)
『NAKED FASHION-ファッションで世界を変える』サフィア・ミニー 2012年 サンクチュアリ出版(画像:右)                                                                 
 いずれもアジアを中心とした開発途上国における低賃金労働が、世界のファッションやブランド製品を支えている状況が書かれています。しかしいずれも出版年から年月が過ぎているので、これを機に最近の状況がわかる資料もそろえる必要性を感じました。生徒のレファレンスは、すでにある蔵書の”鮮度”を見直す良い機会になります。(東京学芸大学附属国際中等教育学校:司書 渡邊 有理子)

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