中学生ともなると、ある１つの分野に大変詳しくなり、選書眼さえ持つ生徒も現れます。
　中３のＡ君は、大変な岩石・化石好き。小さなころから田舎のヒスイ海岸で翡翠を拾っていたという年季の入ったオタク少年です。
　

本校では毎年２年生の５月に行く秩父長瀞修学旅行のために、半年前から地層や地形、地質、岩石、化石などの事前学習を始めます。本校の書籍だけでなく、他の附属学校に応援を頼み、２００冊を超える資料を準備して学習を支えています。

　
昨年、昼休みの度に他校の本を手にとっては、
「これ、借りちゃだめですか？」
「１年生が使っているから、ちょっと待ってね。」
「もう、いいですか？」
「いやいや、まだ使っているから」
という会話を、Ａ君と何度も繰り返しました。
　そんなＡ君がこの秋・・・

「この本を入れるといいですよ。」
と、メモを渡してくれました。

聞けば、日本国宝展を観に上野に行った際、ついでに科学博物館のミュージアムショップに寄って、今年７月発売のこの本を見つけてきてくれたとのこと。
「１年生の調べ学習にとても役に立つと思います。」
とのアドバイスを聞き、早速注文いたしました。
　このような強力なスタッフが学内にいるのは、ありがたく、心強いことです。
　　　　　　　　　　　　　東京学芸大学附属小金井中学校　　井谷　由紀

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