ひとりひとりの「こまった」に

2018-09-07 09:10 | by 松岡(主担) |

7月30,31日に行われた「学校司書のための研修」では私自身がスタッフの一人として参加しながらも
それぞれの先生のお話に刺激を受け、次のステップにつながる学びの多い時間となりました。(研修の報告についてはこちら

1日目の野口先生の講義では「特別な支援を必要とする子どもの現状と学校図書館としての対応」を講義テーマにお話いただきました。
「合理的配慮」に関するお話や「アクセシブル資料」については研修動画(こちら)や本DB内の記事「学校図書館における「合理的配慮」について」でも詳しく紹介しています。ぜひご参照ください。
また、野口先生の著書でも様々な学校図書館の取組が紹介されています。






『多様性と出会う学校図書館ー一人ひとりの自立を支える合理的配慮へのアプローチ』
野口武悟・成松一郎/編著
読書工房

野口先生は講義の中で「ノーマライゼーション思想」について「障害は個人の状態を指すのではなく、障害のある人の〈暮らしづらさ〉=バリアを取り除いていく、ということ」とお話されていました。
障害、というと利用者個人のレベルで捉えがちでしたが「障害は利用者ではなく図書館側にある。例を挙げれば近くに図書館がない人のための移動図書館サービスや言語が違う人への多文化サービスなども図書館利用に障害のある人のためのサービスであり、学校図書館ができることは色々ある」という野口先生のお話をうかがって、自分自身の考える学校図書館サービスへの狭い考えが広がったように感じました。

勤務校での子どもたちの「こまっていること」は何だろうかと考え、ひとつずつ解決していくことで利用しやすい図書館を目指していきたいと気持ちを新たに2学期を迎えています。

第一歩ではありますが、蔵書検索をした時に書架へ向かう際、請求記号だけを覚えていて書名を忘れてしまう子どもが少なくないので検索機のところにあるメモ用紙に一工夫施してみました。








(拡大して見られます。)

検索結果メモ .pdf

自分で調べ、その結果をもとに書架で本を見つけられる手助けになれば良いと思っています。また、時間内で見つけられなかった時にそこで探索が途絶えてしまわないようにもなれば良いと思い作成しました。

(東京学芸大学付附属小金井小学校 司書 松岡みどり)

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