「環境の本はありますか」から始まるレファレンス
2019-06-10 22:43 | by 村上 |

「思ったよりたくさんあるんですね!」と喜んでくださり、そのうちの何冊か(右は、そのうちの1冊、『江戸の四季と暮らし』 河合敦他 学研プラス 2009)を持ち帰って検討することに。本校は6月15日に公開研究会があり、赴任早々家庭科も公開授業を行うことになったそうで、これから授業を考えるとのこと。そこで、図書館としては必要な資料は附属のネットワークや公共図書館からの団体貸出で揃え

こういう時に頼りになるのは、お隣にある附属世田谷小学校の図書館です。さっそく双方の空き時間にお邪魔して、使える資料を見繕います。ざっくりとこちらの要望を司書の金澤さんに伝えると、「こんな本はどう?」と棚から持ってきてくれます。さらに二人で話しながら棚を見ていくと、思わぬ発見があります。たとえば、『みんなでめざそう循環型社会7 江戸に学ぶ暮らし』(高月研著 学研プラス 2009)はテーマにぴったりだし、『日本の職人 伝統のワザ 住の職人』(学研 2011)も使えそうです。

はじめは図書館の書籍ともとに、先生が資料を作る予定だったのですが、たくさん本が集まったことから、1人1冊、本を使って先人の知恵を調べることに方向転換。先生も以前勤務していた横浜市の公立図書館に出向いてレファレンスを受け、使えそうな本のリストをいただいてきたとのこと。さっそく世田谷区に予約をかけました。
こうして集めた本を丁寧に読み込んだ先生は、35冊の本から先人の知恵を学び、持続可能な社会の構築に向けて、私たちに何かできるか考える授業を作られました。副本は、公共図書館と、附属のネットワークを使ってあつめました。本を使えるならしっかり必要な情報を読みとり、共有する時間もとりたいと、少しずつ全体計画が変更され、さらには調べて話し合ったことの伝え方を、国語の授業で”「4冊の本からボクらはこう考えた」~目的を持って話す~”という取組と連動させて行うことになりました。
新しく見えた先生とこのようにコラボレーションができて、フレッシュな一年生が本に触れる機会が増え、さらには無理ない教科連携までできたことは、司書としても嬉しい出来事でした。具体的にどのような授業が行われたかは、後日ぜひデータベースにアップしたいと思っています。
東京学芸大学附属世田谷中学校司書 村上恭子