図書館で博物館 国宝鳥獣戯画

2021-06-03 15:48 | by 岡田(主担) |

 鳥獣戯画が好きな生徒がいます。
「今度、東京国立博物館で展覧会があるわね。」「はい、家族で見に行こうと楽しみにしています。動く歩道で見学者は見るらしいです。」との会話の矢先にコロナで博物館が4/25から休館になってしまいました。附属高校では資料として鳥獣戯画の蛇腹式のものを購入していました。「だったら、学校図書館で博物館を行ってしまおう」と思い立ったのが今回の展示です。机の上に長〜く巻物として展示をしますと本とは違う本来の迫力が出ます。巻物タイプの資料をあえて購入した理由はここにあります。日本最古のアニメーションと言われる理由も実際に近くでみると理解できます。形の違いが表現の特徴を産みます。屏風や巻物などから受ける、普段とは違う感覚の楽しさも味わって欲しい展示です。

鳥獣戯画の展示と人気の絵柄

鳥獣戯画は人気があります。愛嬌のある絵柄からコップやTシャツなどのグッズも充実していますし、小学校の教科書にも掲載されています。国語、社会、美術と多様な取り上げられ方をしていて生徒にも馴染み深い教材です。一緒に資料展示した日本美術全集(小学館 2001年)の中の他の絵巻物と比較すると特異な絵巻物であることが改めて理解できます。学校図書館に所蔵している多様な資料から、多面的に鳥獣戯画を楽しんでください。

               (東京学芸大学附属高等学校 司書 岡田和美)

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