東京都人権プラザ展示「感染症と差別」

2021-12-08 11:11 | by 渡辺(主担) |

 附属国際中等教育学校では、東京都の人権プラザから「読む人権ー感染症と差別ー」というテーマのパネルと図書の展示セット(貸出・送料無料)を借り、10月13日から21日にかけて館内で一堂に展示をしました。この展示は大きく5つのテーマに分かれています。「イントロダクション」「ハンセン病」「HIV/AIDS」「海外文学における感染症」「ゆらぐ日常」。それぞれのテーマごとに机がカラフルで、生徒たちは日常とは違う館内の雰囲気に驚き、「何がはじまったの?!」「メディアセンターじゃないみたい!」と多くの生徒が立ち寄りました。
 新型コロナウイルス感染症の流行により、昨年から学校でもさまざまな行事が中止または延期となりました。社会では人々の間でも分断と差別がおこり、感染症が人類にもたらす影響をまざまざと突き付けられています。そうしたなか、生徒たちもどこか窮屈な気持ちで過ごしているだけに、「感染症と差別」というテーマはさらに気を重くさせてしまうのでは、との懸念もありましたが、こういうときだからそ中高生に見てもらいたい、という思いで先生方と実施を決めました。
 展示は図書委員会の主催とし、各クラスには生徒を通じて広報をしました。より多くの生徒に見てもらえるように、「展示されている本からメディアセンターの蔵書にしてほしい本をベスト5までは購入しますので、ぜひ投票してください!」としたことで、多くの生徒たちが丁寧に本を眺めるようになりました。ちなみに投票によって第1位に輝いたのは、Netflixの人気番組『クィア・アイ』で美容担当をしているジョナサン・ヴァン・ネスのエッセイ、『Over the top どんなわたしも愛してる』(集英社)でした。
















 
  今回のように外部から展示物を一式借りたのは初めてでしたが、5つのテーマごとに配布用の解説パンフレットもあり、先生方からも「資料的な価値がとても高い!」との声もいただきました。
 東京都の人権プラザでは、今回の展示セット以外にも「人権」をテーマとした書籍の無料貸出しをおこなっているそうです。学校の要望に応じて相談にのってくれるので、「スペースがないから・・・」とためらわずに、生徒の学びにあわせたテーマで貸出しを受けてみませんか?館内にある蔵書とはまた違う本との出会いがあると思います。(東京学芸大学附属国際中等教育:司書 渡邊有理子)

東京都人権プラザ
*人権プラザの別展示を世田谷区立桜丘中学校でも実施されました。こちらの「読書と情報リテラシー」の記事もぜひご一読ください。
http://www.u-gakugei.ac.jp/~schoolib/htdocs/?page_id=45
 

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