となりに座っているのは?

2022-01-06 16:17 | by 富澤(主担) |

2学期の初めは、まだ東京は緊急事態宣言中でした。そこで、マルチメディア室(本校図書館)でも、館内に滞在できる人数を、通常の半分とし、図書の時間の読み聞かせは教室で行い、クラスを半分ずつ入れ替えながら、返却と貸出だけしに来館してもらう体制をとっていました。

一目で利用可能な椅子がわかるよう、また自然に距離をとれるよう、何かしようと思ったのですが「使えません」という表示をただ椅子につけるのでは、司書の気持ちも塞ぐばかりです。ネットで、大きなぬいぐるみを席に座らせて、ディスタンスをとっているカフェの様子を見て、良いアイディアで素敵だと思ったのですが、本校にいたのは、椅子に座らせると見えなくなってしまう小さなぬいぐるみばかり。しかも、全ての席の分には足りません。そこで、

GAKUMOのポップを利用して、「この席は、○○(例えば、女の子)が、つかっています」という表示を作り、空けたい席につけ、ぬいぐるみを座らせ、その席の前に本を展示する方式をとりました。

ぬいぐるみが足りない場所は、基本的には表示のみとなってしまいましたが、5年生の女の子がつくってプレゼントしてくれた折り紙の多面体を置いてみたり、2年生の男の子のアドバイスを採用して、「とうめい人間サムガリー」(末吉暁子著、垂石真子イラスト『ぞくぞく村のとうめい人間サムガリー(ぞくぞく村のおばけシリーズ8)』、あかね書房、1996)に登場してもらったりもしました。









 子どもたちも、なかなか楽しそうにぬいぐるみたちと過ごしてくれましたし、見た目も明るく華やかになって、司書の精神衛生に一役買い、本の貸出にも多少はつながったので、やったかいはあったと思えました。けれど、全ての椅子を開放、クラス全体に向けてマルチメディア室で読み聞かせができるようになったときには、やはり何とも言えずホッとしました。

子どもたちがギュッと集まって、読み聞かせができていたときが、とても懐かしいですが、どんな状況になっても、ユーモアと工夫を忘れずに過ごしたいと改めて思っています。

                       (東京学芸大学附属大泉小学校 司書 富澤佳恵子)            


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