調べ学習支援の一環として

2022-09-10 19:39 | by 富澤(主担) |

2学期がはじまって2週間が経ち、各学年ごとの調べ学習にも本腰が入ってきました。本校では、国際バカロレアの考え方を取り入れつつ、子どもたち一人一人が、それぞれの興味関心をベースに、探求活動を進めていけるような授業づくりをめざして、先生たちが試行錯誤を重ねています。今年度からは特に、非常に大きなテーマを学年で共有しながらも、その中で各自が自分の課題を設定し、探究活動をする方向性が、より明確になってきました。

例えば、2年生の2学期のテーマは、「生きもののおせわをしよう―人は生きものの一生にえいきょうをあたえる」ですが、何の生き物を選択するのかは、全く自由。子どもたち一人一人に任されています。事前に、ある程度どの生き物に興味がありそうか、授業で挙がったものを教えてもらったのですが、それは夏休み前のこと。2学期になって蓋をあけてみるまで、誰がどんな生き物を選び、飼育しているのかは、想像の範囲を出ません。

区立図書館への依頼は、夏休み中に行い、ある程度、すぐに対応できるよう「2年生用」のバスケットを作って準備したつもりでしたが、「アリ」「クワガタ虫」「ダンゴムシ」「カタツムリ」「アカハライモリ」「カマキリ」「ドジョウ」「チャボ」「アゲハ蝶」と、種類も様々なら、「飼い方」にとどまらず、「アリが小さい理由は?」、「アゲハ蝶の雄と雌は、どう見分けるの?」などと、口々に「本はどこですか?」と迫りくる2年生に圧倒された1時間を過ごすはめになりました。移動教室でのグループ活動のような、学年全体で動くものの、テーマとしてはある程度ニーズのはっきりした調べ学習であれば、テーマごとにバスケットを作って対応ができたのですが、それが難しくなりつつあります。

今回は、特に昆虫類への関心が高く、本校のNDC3桁での分類では、昆虫のなかの「種類」にまでは踏み込んでいないため、同じ棚に人が殺到することになり、押し合いへし合いして、本が見つけにくく、司書も対応に手間取る、ということに気づきました。

そこで、

少し広い場所に、生き物の名前を見出しにつけて別置してみました。個人への貸出はせず、使い終わったら、取った場所にもどすようにします。

まだ見出しが完成する前の、「本は分けてあるけれど作業中」の状態で、1クラス来館があった際には、作業の過程で、司書の頭が整理されたこともあってか、最初のときよりも案内がスムーズにできました。また、最初の時間に見逃していた「プランクトン」をテーマに選んでいた子がいたことに気づくこともでき、多少の手ごたえを感じています。


ただ、このテーマで、目立つところに、手に取りやすい形で本がおいてあると、「うっかり」借りてしまう子や、返す場所がわからなくなった、外の返却ボックスに入れてしまう、といった事態が想定されます。本当は、テーマをあいうえお順に並べる、別置がわかるようにマークをつける、など、丁寧な対応が望ましいのですが、他の学年への対応もあり、手間と効果をにらみながら、手を入れていくことになりそうです。

(東京学芸大学附属大泉小学校 富澤佳恵子)

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