はなのあなのはなし

2020-05-03 00:00 | by 岡島(主担) |

毎年、インフルエンザが流行り始める12月~1月ごろ、「自分の体は自分で守ろう」という展示コーナーを作り、体の本を並べます。その中から、1年生に読み聞かせするのがこの本です。
『はなのあなのはなし』(やぎゅうげんいちろう 福音館書店)



今年は武漢での新型コロナウィルス流行がニュースに流れ始めたころ読みました。この本は、鼻の穴のやくわりやしくみを小さな子どもにもわかりやすく、そしておもしろく伝えてくれる絵本で、子どもたちはとても熱心に聞いてくれます。参加型のところがあり鼻をつまんで「まみむめも」を言ったり、鼻の穴をふくらませたりするのも楽しく、いつもの年なら、たっぷり楽しんでから最後の「からだについているあなはどれも大切なものだから、いつもきれいにしておかないといけないよ」というセリフをしっかり伝え、汚い手でさわってはいけないことを補足する程度で十分かなと思って読んでいました。

ですが今年はまだ日本では感染者が出ていない状況ではあったものの、新型ウィルスが深刻なもので不安も大きかったことから、読む前に手には目に見えない菌やウィルスがついているから、むやみに鼻や目を触ってしまうのは感染の危険があるので気を付けなければいけないことを強調してから読みました。鼻をつまむときにも穴に手を入れないよう気をつけようねと注意しながらで、いつもよりは楽しめなかったかもしれません。それでも子どもたちは自分の体のことにはいつも興味津々のようで、体の本を紹介するとよく借りられます。


 今年も一緒に紹介した同じ作者のほかの本や、『インフルエンザウィルスのフルくん』(岡田晴惠 ポプラ社)などがよく借りられていきました。
 まだしばらくの間、子どもたちが体を寄せ合って、直接間近で読み聞かせを聞くということはできないかもしれませんが、自分たちで自分の体を守るためにがんばろうと納得するためにも、体の本なども活用してほしいなと思っています。早く幸せな読み聞かせの時間が戻ってくることを願っています。
※前任の公立小学校での実践です。(学芸大学附属竹早小学校司書 宮崎伊豆美)


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