マイバッグつかってますか? 『ポリぶくろ 1まい、すてた』

2020-07-12 16:06 | by 井谷(主担) |

 2020年7月から、買い物でのレジ袋が原則有料化されました。コロナ禍にあって、すでに自前のエコバッグを持ち歩く人が増えている中、この流れに大きな抵抗もなく人々は対応しているようです。

 この時期にぜひ、教室や図書館で読んでほしい本が今年度の青少年読書感想文全国コンクールの小学校中学年の部で課題図書にとりあげられたこの絵本です。

「ポリぶくろ、1まい、すてた」

ミランダ・ポール作

エリザベス・ズーノン絵

藤田千枝訳

さ・え・ら書房




 
もう小学校では読み聞かせされた方もたくさんいらっしゃるかもしれません。

 近年総合の学習の中でとりあげられるSDGs(Sustainable Development Goalsの略=持続可能な開発目標)の17の目標にも、この絵本にでてくるポリ袋ごみ問題は深くかかわっています。ポリ袋は土へ分解されないのでゴミとして残り、このゴミを食べた動物や魚がたくさん死んでいます。

 本書は 西アフリカのガンビア共和国でポリ袋のリサイクルに取り組んでいるアイサトさんの実話をもとにかかれています。アイサトさんがポリ袋のリサイクル運動を始めたのは1998年のことだそうです。末にはアイサトさんの活動とその活動の発展の様子が年表で掲載されています。また本書のイラストをてがけたのは、西アフリカ出身の画家エリザベス・ズーノンさんです。カラフルな紙と使い古しのポリ袋をつかって描かれたコラージュ風の絵は、生命力あふれる色と光と陰に満ちています。

 プラスチックごみについての問題は、小学校の授業の中のみでなく、中学校の総合の授業でもSDGsとの関連でよく取り上げられるテーマの一つです。中学校の総合学習の際に、この絵本の読み聞かせを図書資料紹介の導入につかうこともできるかなと思い、今年度はこちらの絵本を本校では購入しました。

 絵本の最後には、作者ミランダ・ボールさんによる読み聞かせやアイサトさんのスピーチなどのサイトの情報がQRコードで掲載され、関連する価値ある情報に私たちを結び付けてくれます。こちらの情報は英語によるものですが、外国語学習にも役立てられるかもしれないとも思います。この一冊の絵本は、学校図書館での様々な活用の可能性を感じさせてくれます。

        (東京学芸大学附属小金井中学校 学校司書 杉本ゆかり)


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