実物投影機を使っての読み聞かせ
2021-03-09 14:05 | by 金澤(主担) |
これまでは、読み聞かせコーナーに集まって、読み聞かせをしたり、語りを聞いてもらったりしていましたが、現在は、集まって読み聞かせをすることができなくなっています。そこで、実物投影機を使っての読み聞かせをしています。日頃は、絵が小さく集団での読み聞かせではあまり使っていなかった本も実物投影機ならできるのではと思って読んだ本を2冊紹介します。
『はなのすきなうし』マンロー・リーフ(おはなし)ロバート・ローソン(え)光吉夏弥(やく)岩波書店
仲間の牛たちは、闘牛場で戦うことを目指していますが、フェルジナンドは、花が大好きで、静かに花のにおいをかいでいるのが好きな牛です。それが、ひょんなことから闘牛場に連れていかれてしまいます。といった、もうみなさんご存じの古くから読み継がれている絵本です。
実物投影機の良いところは、拡大して写すことができるところです。この絵本は、左側に白黒の絵、文は右側にあります。絵のページに焦点を当て、拡大して写しながら読みました。
実物投影機を使っているおかげで読み聞かせができた1冊です。
『大津波のあとの生きものたち』永幡嘉之(写真・文) 少年写真新聞社
著者は、3月11日の東日本大震災の津波のあとの海岸を歩き、東北地方の生きものを調べ続けました。2015年までの観察を記録した写真絵本です。
震災後2年目には、ハマヒルガオやハマナスのお花畑が広がったり、虫たちも増えてきました。徐々に自然が再生していく様子が、写真を見ていても伝わってきます。しかし、復興が進むにつれ、この自然の様子も変わっていきました。著者は、「消えてしまった海岸の自然は、二度ともどらない。未来に残すべき自然の「豊かさ」とは何だろうと考えながら、私は今も海岸を歩き続ける。」といっています。この著者の言葉には、考えさせられます。
ところどころにある写真が小さく、集団での読み聞かせでは無理だと思っていました。そこで、実物投影機を使って、その部分を拡大しながら読み聞かせをしました。
絵本を台に置いて読み聞かせているため、聞いているときの子どもたちの顔をじっくり見ることができないのが残念です。いつもの読み聞かせよりも、子どもたちの顔を見るように心掛けないといけないと思って読んでいます。
(東京学芸大学附属世田谷小学校 学校司書 金澤磨樹子)