『はじめまして』―桜の開花とともに―

2016-03-29 14:54 | by 中山(主担) |


 4月、なにもかも新しい気持ちで期待に胸をふくらませて、ワクワク…
 新しい子どもたちとの出会いに交わすあいさつは、
 「はじめまして」

 そんな気持ちにぴったりの絵本です。
    近藤薫美子 『はじめまして』 偕成社 2014

 表紙は満開の桜の中に蝶や虫や小鳥たちが顔を覗かせています。
 1輪の桜からはじまる1年間。

 桜のつぼみが一輪ひらいて、ミツバチ、シジュウカラ、虫たちが はじめまして
  「おなじ きに さいていても
  いちりん いちりん どのはなも 
  みんな ちがう かおで さいています。」

 花びらは風で散って
 次はちいさな実。
  きょうの おひさまも はじめまして

 秋
 はっぱがおちて、大地と はじめまして

 そして、雪のひとひらとも…
  冬の芽のアップから、雪原に立つ桜の木へとページをめくる…
  真っ白なこのページを見せたとき、児童のひとりがつぶやきました。
  「きれい…」

 そして、また 春。
  「さくらの きに きせつは めぐっても
  いつも いつも はじめましての はな。
  いちどきりの はるなのです。」

 近藤薫美子さんの絵本は、
 読み聞かせても、ひとり読みしても、
 いろいろな生きものたちのいとなみがいきいきと描かれているので、
 折につけ、紹介したいと思っています。

 元 東京学芸大学附属小金井小学校司書
 元 東京都小金井市小学校教員
 酒井 由美子

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