新年のはじまりは、干支のお話から

2017-01-16 17:00 | by 小野寺(主担) |

新年のはじまりに読み聞かせする本は、その年の干支にちなんだお話から選ぶことにしています。
2017年は酉年。
にわとりが主役または登場するお話から、図書の時間に読み聞かせをしたのは・・・

『チャンティクリアときつね』
 (ジェフリー・チョーサー げんさく/バーバラ・クーニー ぶん・え/ひらのけいいち やく/ほるぷ出版)



 チャンティクリアは、すばらしい鳴き声の持ち主のおんどり。
 ある朝、チャンティクリアは何者かに襲われる夢にうなされ、目を覚まします。
 めんどりのパートレットに励まされ、なんとか元気を取り戻したチャンティクリアでしたが、すぐそばにあやしい影が・・・。チャンティクリアの夢が正夢に!?

 中世の英国詩人チョーサー原作のカンタベリー物語を子ども向きに再話し、素朴かつ美しい挿し絵をつけた絵本。遠目の利く絵はクラスでの読み聞かせにも向き、きつねとおんどりの駆け引きに、中・高学年の子どもたちも楽しめる一冊です。

3年生に、この絵本を読んでみました。
昔話やほかのお話でもおなじみの、わるがしこいきつねの登場に、何人もの子どもたちがすぐに、チャンティクリアの危険を察知。チャンティクリアの命が危ない!とハラハラする思いと、でもきっと助かるに違いないとの予想(願い?)が入り混じったような、心地よい緊張感に包まれた様子で物語のクライマックスを迎えました。

ちなみに、チャンティクリアが襲われたのは金曜日。
「よりにもよって、今日が えんぎの悪い金曜日だなんて!」とチャンティクリア。
図書の時間が木曜日だったクラスでは、「えっ!明日、金曜日(しかも、13日の金曜日)だ!! 何か悪いことが起こりませんように・・・。」と話している子もいました。

そんな子どもたちのそばで聞いていた担任の先生は、チャンティクリアときつねが最後に交わした会話を聞きながら、何度も頷いていました。子どもたちとはまた違ったところでこの話に共感したようです。

 (東京学芸大学附属大泉小学校 司書 小野
寺愛美)

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