美術科教育学研究室


美術科教育学研究室では、学校教育をはじめとするさまざまな美術教育に関する理論、方法、内容・実践、探究等を扱っています。卒業研究で美術科教育学研究室を選択した学生は、2年次の美術演習Ⅰ・Ⅱ等で各自の興味関心や学習成果等を交流しながら、研究の内容を深めていきます。また同時に、各研究室教員の主宰する論文ゼミやワークショップ、展覧会等への参加を通して、さまざまな美術教育を理解していきます。美術科教育学研究室では、学生一人一人が、これから必要な教育と、子供たちの表現活動や美術の意義等について自ら問い続けながら、活動を作り出していける力量を形成することを目指しています。

絵画研究室


洋画研究室(花澤研究室):洋画研究室では美術、造形表現の根幹である「絵を描く」基礎を学び油画表現や従来の分類では捉え難い表現の追求、創作研究を行います。洋画と聞くと主にキャンバスに描く油絵を思い浮かべますが西洋で発達した素材、技法によって描かれた絵画であり東洋、日本的な表現に対しでつくられた近代の概念、領域です。現代の美術は多様な思考、新たな技術から多くの表現が生まれています。今まで作品、鑑賞は明確に制作者と鑑賞者でしたが、その役割の輪郭も薄れた参加型プロジェクト、ワークショップなどの作品もあります。制作、ワークショップなど実践を通して現代における美術、表現の可能性を追求します。
 
日本画研究室(速水研究室):日本画というと伝統的な絵画表現というイメージがありますが、当研究室では、その伝統を学ぶだけでなく、自己表現を行う上でそれぞれの個性を尊重した指導をおこないます。
将来、教職・関連企業への就職や創作活動を行うための礎を第一にアカデミックな表現と新鮮な感覚の育成を目指します。
 
版画研究室(清野研究室):版画は、版や型を介在させて表現する間接技法です。木版、銅版、石版、シルクスクリーンなど、多様な版材を選択できるだけでなく、描画はもちろんのこと、写真、実物を版として使うことができる表現です。本研究室では、個人の制作研究を追求するだけでなく、展覧会やワークショップ等を通じて、創作する喜びや鑑賞する楽しさを内外に伝えています。

彫刻研究室


彫刻研究室は、塑像、石彫、木彫、テラコッタのそれぞれ独立した実習室の設備があります。彫刻演習室1・Ⅱ(塑像室)では、粘土による人体塑像を制作します。石彫室はコンプレッサー、2トン天井クレーン、集塵機設備があり、木彫室も2トン天井クレーンがあります。テラコッタは半身像ぐらいが焼ける電気釜を設備した実習室があります。そのほか美術科所有の2トンフォークリフトで重量物の移動も可能です。彫刻研究室の学生たちは思い思いの素材をもとに各専用実習室で各種専門工具を使用し、立体表現の探求をしています。

デザイン研究室


 環境・プロダクトデザイン研究室 (鉃矢研究室)は、鉃矢悦朗教授のもとで、当たり前だと感じられている”コミュニケーション”や”くらし”を問い直すことから始まります。「面白がること」「あそびは最高の学び」を合言葉に、モノ・コト・バ・ヒトに関する実践的デザイン活動を通して、新しい面白さや価値感に出会い、各々の好きなことを探求しデザインしていく研究室です。
 
 グラフィックデザイン研究室(正木研究室)では、個々の体験から生じたイメージや情報に「カタチ」を与え、生き生きとした「意味」を物語る「メディア表現」の創造性を探究しています。一緒に「遊力」と「考動力」を育みながら、アート&デザイン、アナログ&デジタル、グローバル&ローカルがクロスオーバーする「教育の未来」について「楽問」しましょう!

工芸研究室


金属工芸研究室では、古瀬政弘教授のご指導の下、銅、真鍮、銀等の金属素材を鍛金及び彫金技法を用いて、ブローチやネクタイピン等のアクセサリー類から時計、照明器具、立体造形物まで幅広く作品づくりに取り組んでいます。課題や自由制作を通して素材理解や技法表現について学ぶとともに、ワークショップなどを通して工芸に関する教材開発や工芸教育に対する理解を深める実践研究も行っています。
 
石井研究室は、人の間で造形からはじまるコミュニケーションの可能性を研究する研究室です。その中には手から直接つくり出される造形や、間の中でつくり合う造形、果ては様々な境を越える為の造形も含まれます。
ここに参加する当人の興味・関心を基に、人が行う造形行為を探究していく研究室です。

芸術学研究室


美術作品という極めて感性的な対象に対峙する時、知識はどのような機能をもつのでしょうか。作品が成立する過程には、素材や主題、制作者、注文主、価格、用途、設置場所等の直接的因子のみならず、それらの背景にある文化的伝統や宗教、政治や経済等の社会的条件等が複雑に絡み合っています。芸術学は、そうした作品の背後にあるものにアクセスするためのプラットフォームです。感性が知性と繫がり、その人固有の鑑賞体験が生まれた時、無味乾燥に思えた「歴史」は彩りある「物語」として再生され、現代に生きる我々の頼もしい伴走者となってくれることでしょう。

書道分野


東京学芸大学の書道専攻は全国初の書道専攻として1952年(昭和27年)に開設されました。その後、現在に至るまで、高等学校芸術科書道の教員を中心に、書の教育にかかわる人材を数多く養成してきました。
B類書道専攻では、教育学を基礎としたうえで、書の実技、歴史、理論、鑑賞、指導法について、幅広い視点から、より深く学んでいきます。
B類書道専攻では、専任教員4名と兼任講師による授業があり、書道専用の教室についても、書道実習室Ⅰ、書道実習室Ⅱ、書道実習室Ⅲ、書道演習室の4教室があり、充実した大学図書館、書道専用の資料閲覧室もあります。加えて、芸術館展示室では、大作も含めた作品展示が可能です。
また、大学院教育も充実しており、教職大学院(教育実践専門職高度化専攻/教科領域指導プログラム/書道教育サブプログラム)、博士課程(連合学校教育学研究科)も併設されています。
キャンパスのある小金井市は、JR中央線で、東京駅から約45分、新宿駅から約25分、渋谷駅までも約40分と交通の便が比較的よく、美術館や博物館、国立国会図書館や各大学・研究施設の図書館を利用して学びを深めるのにもたいへん便利な立地にあります。
皆さんの受験をお待ちしています。