今月の学校図書館

こんなことをやっています!

東京学芸大学附属特別支援学校

2021-06-02 14:13 | by 宮崎(主担) |

 東京学芸大学附属特別支援学校は、幼稚部から小学部、中学部、高等部まであり、主に知的障害のある子どもたち70名ほどが通う小さな学校です。学校図書館は、ひとつの部屋ではなく、各部の図書コーナーとして設置しており、学校司書は月2回ほどの勤務となっています。昨年来のコロナ対策下で制限の多いなかですが、特別支援の子どもたちの学校図書館活用を紹介します。

←小学部図書コーナー

  中学部図書コーナー↓








      


◆中学部調べ学習
 中学部では、毎年秋の修学旅行などの校外学習に合わせて、本やPCを使用した調べ学習を行い、司書も参加してきました。昨年は感染症対策のため、校外学習は中止となりましたが、調べ学習は別のテーマなどを設け、継続しています。中1・中2は、東京をテーマに、中3は自分の好きなことを調べてレポートをまとめ、ふだんは保護者も参加して行う総合学習発表会は、オンラインで行い、保護者にも見てもらうことができました。

今年度は、1学期に市内での校外学習を行うことが決まり、調べ学習も行うことになりました。司書はほかの附属学校や市立図書館からも資料を集め、特設コーナーを設置しました。植物や生きものの図鑑のほか、地域の湧き水などに関する地域資料もたくさん集まり、にぎやかなコーナーができました。

 

◆蔵書検索
特別支援学校には蔵書も少なく図書館システムはありませんが、昨年の休校期間に始まった(株)カーリルの「COVID‐19学校図書館支援プログラム」を利用し、蔵書のWEB検索ができるようになりました。「こんな本みつけたよ」カードが印刷できる機能も付けてもらい、手軽に本の紹介カードが印刷できるようになりました。図書委員会の活動や小学部の読書週間などで使ってもらうことを期待しています。














◆今年度はギガスクール構想の動きに伴い、特別支援学校の図書環境もICT化を進めていきたいと考えています。マルチメディアDAISYを子どもたちのiPadで使えるようにしたり、電子書籍にもチャレンジしたり、従来の図書のよさと比べながら、より子どもたちの生活のなかで、読書や本でしらべることが身近になるよう研究していきたいと考えています。

(東京学芸大学附属特別支援学校 司書 宮崎伊豆美)

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