今月の学校図書館

こんなことをやっています!

東京学芸大学附属大泉小学校

2017-05-07 17:20 | by 小野寺(主担) |

今月は、新年度がスタートしたばかりの東京学芸大学附属大泉小学校の様子をご紹介いたします。

●フリータイム学習が始まっています!

 本校で「菊の子学習」と呼んでいる総合的な学習の時間は、「探究」「表現」「交流」の3つの活動で構成し、体験に基づいた確かな学力と豊かな心を育てる学習を行っています。


 〈1学期〉 3年生から6年生は「フリータイム学習」に取り組みます  
 
 移動教室で訪れる地域をフィールドとして、興味関心のある素材からテーマを決めて探究学習をしていきます。3年生は大泉(移動教室はなし)、4年生は富浦、5年生は箱根、6年生は日光フリータイム学習です。事前に本やインターネット等から情報を得ながらテーマを絞り込んでいき、現地では専門家の先生方と交流し、本物にふれる体験を通して学びを確かなものにします。学習のまとめでは発表会を開きます。学習の成果を人に伝えることでプレゼンテーション能力を高めていきます。


 
5月中旬から移動教室へ出かけるため、新年度が始まるとすぐに学習に取りかかります。マルチメディア室(本校の学校図書館)も、関連資料を用意したり、調べ方のコツや情報の扱い方についてオリエンテーションをしたり、レファレンスの対応をしたりと、一人ひとりの学びが充実するようにバックアップをしています。




※フリータイム学習について詳しくは、こちらをぜひご覧ください。
  本校の取り組みが紹介された本が刊行されました。


  「アクティブ・ラーニングで身につく 発表・調べ学習」シリーズ 全4巻


  ①『調べ学習の基本を身につけよう』  
  (中村昌子監修/河出書房新社/2016年)


  ③『伝わる発表のコツを知ろう』
  (中村昌子・北平純子監修/河出書房新社/
  2016年)



●ひよこがうまれたよ! 

 
 1年生の「菊の子学習」では、チャボのお世話をします。昨春、2年生のお兄さん、お姉さんたちから引き継いだチャボを、雨の日も暑い夏休みも休まずみんなで大切にお世話してきました。チャボのことをよく知るために本で調べたり、秋から仲間入りしたコーチンがとてもよく卵を産むので、その卵を使ったらどんなお料理ができるかを調べたりもしてきました。そのチャボとコーチンを、そろそろ新1年生に託すときが近づいています。


 先日、その手塩にかけてきたコーチンの卵のひとつが孵って、ひよこがうまれました! 2年生は気になって仕方がない様子で、朝、登校するとチャボ小屋へ通う姿を見かけます。担任の先生もひよこの成長が気がかりのようで、エサは何を食べるのか、鳥小屋に入れたままにしてよいのか……など、情報を求めてさっそく司書に相談がありました。


●授業参観がありました!
 
 4月29日(土・祝)は授業参観日でした。6年うめ組は、マルチメディア室で国語の授業が行なわれ、多くの保護者の方々にご参観いただきました。マルチメディア室が授業参観会場となったのは初めてのことです。
 
 「引用して話そう」(『ひろがる国語 小学国語6上』教育出版)は、6年生になっての抱負や決意、将来の夢について、本や新聞、雑誌などから心に残った言葉や写真を引用しながらスピーチする学習です。本単元の1時間目、引用する資料を探すためにマルチメディア室が利用されました。その時間のおわりに、先生から「授業参観もここを使ってよいですか?」という話がありました。当初の計画では、2時間目以降、そして参観日当日は教室で授業をする予定だったそうです。しかし、1時間目の子どもたちの様子を見て、多くの資料に囲まれ、発想も豊かに広げてくれるこの空間で発表までさせたいという気持ちに変わったそうです。


 当日は、まず引用の仕方についておさらいをしたのち、グループ内で一人ずつスピーチをしていきました。引用した言葉をフリップに書いたり、本や新聞記事の実物を見せたりする工夫も見られました。そして最後には、今回の学習のまとめとして、「引用のよさって何だろう」ということについてクラス全体で考えました。司書もT2として参加し、この仕事に就くきっかけとなった1冊の本のエピソードを紹介しました。その本はくり返し読むたび、気になる箇所に付箋を付けているが、その時々によって強く心に残る箇所が変わってくるという体験談をお話しました。

 

(文責:東京学芸大学附属大泉小学校 司書 小野寺愛美)




次の記事 前の記事