今月の学校図書館

こんなことをやっています!

東京学芸大学附属高等学校

2017-11-06 10:37 | by 岡田(主担) |

音楽の教員から、高校1年生の授業でのブックトークの依頼をうけました。
今年度2度目の音楽室への出張授業となります。
依頼内容は
「二番目に言いたいこと」 「むらさきつゆくさ」星野富弘作詞、なかにしあかね作曲
「むらさきつゆくさ」 星野富弘作詞、相澤直人作曲
の合唱を深めるためのブックトークを行ってほしい。
とのことでした。
高校の授業でブッツクトークを行うのは珍しいのではないでしょうか。
その様子を今回はお届けします。
DBの事例で指導案等のせていますので、そちらもご覧下さい。(管理番号 A0294)

 

ブックトークで紹介した本を前に合唱中です。

音楽の教員からは以下の聞き取りを行いました。
「合唱作品は作曲家は注目を集めるが、作詞家に話題が及ぶことが少ない。名前は挙げられても、その生い立ちや詩作への経緯に触れられることがなかなかない。
今回は、星野富弘さんの詩に感動した作曲家がその詩に付曲しているという点を踏まえて
生徒の曲への理解が深まるブックトークを行ってほしい。
また、音楽は芸術科の一科目なので、芸術家としての創作活動に困難さを抱えてもなお、表現活動を続けた音楽以外の芸術家を紹介してほしい。」

活動の流れとしては、
第1次.「二番目に言いたいこと」(星野富弘作詞・なかにしあかね作曲)を独唱(斉唱)する
  作曲者が記した発想記号や強弱記号から音楽的に強調している言葉をさがし、それを意識して歌う。
  また、自分のこころに響く言葉やフレーズを意識して、オーバーに表現してみる。
  この曲の歌詞は、「むらさきつゆくさ」(星野富弘作)である。
第2次.「むらさきつゆくさ」(星野富弘作詞・なかにしあかね作曲)をアカペラ混声4部で合唱する
  独唱曲の旋律を借用している。混声4部版で伝えようとしていることは何か、
  独唱曲として伝えたいことと重なるのかを考える。
  歌詞→ハミング→ヴォカリーズ→歌詞、という曲の構成で伝えようとしていることは何かを考える。
第3次.星野富弘について知る「ブックトーク」
  星野富弘、本人について知る。
  芸術家としての創作活動に困難さを抱えてもなお、表現活動を続けた音楽以外の芸術家を知る。
第4次.星野富弘作詞・相澤直人作曲「むらさきつゆくさ」をアカペラ混声4部で合唱する
  なかにしあかね以外にも、この詩に魅了され付曲していることを知り、演奏することで楽曲を比較する。
  また、他にも多くの作曲家が星野富弘の詩に付曲していることを知る。

使用図書、資料は以下です。
「かぎりなくやさしい花々」星野富弘 1986 偕成社
「あの時から空がかわった」星野富弘 2016 いのちのことば社
「足で歩いた頃のこと」星野富弘 2017 偕成社
「山の向こうの美術館」星野富弘 2005 偕成社
「日本の詩歌 23 八木重吉」2001 中央公論新社
「舟越保武」2014 求龍堂
「私を受け容れて生きる」末盛千枝子 2016 新潮社
「水のゆくえ」舟越桂 1995 京都書院
YouTube「明日も」SHISHAMO
アニマルハウス 三沢厚彦 松濤美術館


各パートごとの練習の様子です。
ブックトークの後で、それぞれが心を込めて歌いたい箇所を確認しました。


学芸大学3年生B類の大学生4名が授業見学に参加しました。
授業後は研究室にて質問の時間となりました。
本校は教員養成大学の附属高校として教育実習にも力を入れています。
司書を活用した授業実例が見学できたとの意見がでました。


           (東京学芸大学附属高等学校 司書 岡田和美)

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