今月の学校図書館

こんなことをやっています!

東京学芸大学附属小金井小学校

2019-02-06 11:44 | by 松岡(主担) |

 本校の図書館には、「なでしこ図書館」という名称があります。なでしこは本校の校章のデザインであり、本校がめざす子ども像でもあります。しかし、なでしこ図書館を象徴するデザインはありませんでした。
 図書委員会は、本の好きな子どもたちが集まったアットホームな委員会です。仕事もよくやってくれます。低学年の子の貸し出しの補助をしてくれたり、読み聞かせをしてくれたりしています。季節ごとのイベントにも積極的で、本や物語をモチーフにした音読劇や人形劇を児童集会で披露したり、「本のスタンプラリー」や「なでしこ図書館・本屋大賞」といった活動を通して、全校児童に向けて読書の楽しさを伝えていこうとしています。











昼休みに絵本の読み聞かせをする図書委員

休み時間は図書委員が本の貸し出し・返却を交代で行います。

 あるとき、そんな図書委員会の子どもたちの仕事ぶりをふとのぞいてみると、図書館のどこに図書委員がいるのかよく分からないということに気付きました。全校児童が制服を着ているので、見分けが付かないのです。ということは、図書館を訪れる子どもたちにとってもそうではないか?そんなきっかけから、図書委員会の子どもたちの仕事ぶりをアピールし、来館する児童にも分かるように図書委員会の作業着(エプロン)を作成することにしました。
 しかし、既製品のエプロンを用意するだけでは味気ないでしょう。図書委員会の子どもたちが喜びをもって仕事に取り組むことができるように、図書委員会のキャラクターやデザインを募集し、コンテストを行い、決定しました。キャラクターの名前も「ぶっくろう」と決まりました。そして、図書ボランティアの保護者の方にエプロンに刺繍とアップリケを作成していただきました。とてもかわいい、そして図書館にぴったりのキャラクターでありニックネームです。
 子どもたちと保護者と教師のそれぞれの思いと協力で、「ぶっくろう」は誕生しました。


(東京学芸大学附属小金井小学校 司書教諭 齊藤和貴)

 日常の図書館活動を支えてくれている図書委員会の子どもたち。一方、縁の下の力持ちとして図書館を支えている大きな存在が、図書ボランティアの保護者の皆さんです。
 本校の図書ボランティアは毎年希望者を募り、展示班と清掃班に分かれて1年間活動を行っています。展示班は月に一回季節や行事に合わせて館内のレイアウトを工夫し、清掃班は週に1回定期的に館内清掃をお手伝いしてくださっています。日々多忙な保護者の皆様にも関わらず毎年100名近い登録があり、2008年に発足し長く受け継がれているため主体的な活動がなでしこ図書館を支えています。

 プロ顔負けの工作、手芸、イラストなどを使った壁飾りは毎月なでしこ図書館を魅力的な図書館に変身させてくれます。季節だけでなく小金井小ならではの行事や学校生活を取り入れた展示は来館者だけでなく着任して間もない私にとっても学校を知る良い機会になっています。制作はそれぞれご家庭で忙しい合間をぬってなさっている様子を子どもたちから聞くこともしばしばあり、中には「この飾り、私(ぼく)も手伝ったんだよ」と教えてくれる子どももいます。
 清掃も保護者目線で子どもや司書の日常清掃では行き届かない箇所を短時間にも関わらずきれいにしてくださいます。館内のイスの汚れを丁寧に落としたり、夏休みの蔵書点検の際には本をすべて出し、書架をきれいにする等一人ではできない大仕事を一致団結して手早く行ってくださっています。
 日常の業務は一人で行うことが多いかもしれませんが、作り手は校内にたくさんいるなでしこ図書館です。今後もより良い図書館であるように、作り手の一人として司書も頑張らねば、と毎日刺激を受けています。











(東京学芸大学附属小金井小学校 司書 松岡みどり)

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