今月の学校図書館

こんなことをやっています!

東京都 杉並区立西田小学校

2019-07-01 22:53 | by 金澤(主担) |

 今月は、杉並区立西田小学校の取り組みを学校司書の磯沼さんに紹介してもらいます。私は、磯沼さんには、学習年鑑の利用指導の際のワークシートを参考にさせてもらいました。今回は、「年鑑をつかおう」「漢字の名前をかんがえよう」のワークシートと「おはなしこんだて」なども紹介してもらいました。(附属世田谷小学校 学校司書 金澤磨樹子)

<概要>

  杉並区立西田小学校は、中央線荻窪駅から南へ徒歩15分、井の頭線高井戸駅から北へ徒歩15分の住宅街の中にある学校です。児童数は約650名、学級数は22(令和元年度4月現在)です。学校図書館は北校舎と南校舎をつなぐ渡り廊下の二階にあり、蔵書数約1万冊で、子供たちや先生方への読書と学習の支援をしています。


<読書支援>

 本校では各クラス週に1時間学校図書館の割り当てがあります。司書は、季節や授業に関連する本の読み聞かせや紹介、ブックトーク、アニマシオンなどをしています。1年生はまず絵本から、段階を経て一人読みが出来るように本を紹介し、声をかけていきます。また低学年には豊かな言葉と言葉のもつリズムを感じてもらいたいと思い、俳句や短歌なども紹介しています。

   司書からの紹介だけではなく、時には子供たちが「今日の図書の時間に読んで面白かった本を紹介する」活動をし、読み聞かせで読んだ本をすべて短冊に書いて図書館の中に掲示をしたりしたこともあります。

子供たちからは、「あ!あの本面白いんだよね」「あの本借りよう」などの声が聞かれました。

 また、子供たち一人一人が読書の記録を書くようにしています。3月に、自分の読書の成長やどんな分野の本を読んでいたのかなどを振り返ってもらい、次年度に生かしてほしいと思います。


<利用指導>

  図書館にある参考資料は、ぜひとも使いこなして卒業してもらいたいので、授業で辞書や年鑑の使い方などを学習したあと、より深める意味を込めて辞書や百科辞典を活用する練習をしています。

年鑑をつかおう 改訂.pdf

   例えば、3年生には国語辞典の学習を教室でしたあと、単語のカードを国語辞典に出てくる順番に並べることや逆引きなどをしました。

   また、漢字辞典の使い方を学習した4年生には、より漢字辞典と仲良くなるために、「名前にふさわしい漢字で外国のお友だちの名前を漢字で書いてみる」ということをしました。どの引き方を使えば、ふさわしい漢字を探せるのかを考え、出来たら担任の先生にふさわしいかどうか判断していただきました。

漢字の名前を考えよう.pdf

 



 年鑑・百科辞典・図鑑などをめんどくさがらずに引き、探せた喜びを感じてほしいと思います。

<調べ学習>

 総合的な学習の時間や理科・社会など読書以外の学習においても学校図書館は、使われています。ネットだけでなく、本と両方を使って調べています。公共図書館からの団体貸し出しなどを利用して、なるべく多くの資料に当たり、「裏をとる」ことができるようにしたいと考えています。

 

<読書旬間>
 6月と11月に読書旬間があります。昨年から栄養士さんにご協力いただき、給食メニューと本のコラボをしています。「本に出てくるおいしいもの」や「食べものが出てくる詩」を紹介し、その食材を使った給食を作っていただきました。給食の時間には、図書委員がその本を放送で紹介したり、詩の朗読をしました。今年の読書旬間「読んでから食べるか 食べてから読むか」で作っていただいた「魔法でだしたあげやきパン」では、かかっていたうぐいすきなこを見て「まほうの粉なんだ!」と驚いていました。そして、中休みからコラボメニューを楽しみにしている子供たちの声が多く聞かれ、栄養士さんと私の励みになりました。
おはなしこんだて.pdf

 また、今年は校長先生による1年生対象の読み聞かせがあり、たくさんの1年生が目をきらきらさせて聞いていました。




<図書サポーター>

 学校支援本部の方々組織していただいた図書サポーターの皆様も大きな力になってくださっています。季節の飾り付けや中休みの読み聞かせ、クイズなど、子供たちが楽しく本と仲良くなれるような企画を考えてくださり、実行してくださっています。

 

 学校図書館が学校の学習の拠点であると同時に、オアシスでありたいと思っています。そのために多くの皆様のお力をお借りして、活動しています。

               (杉並区立西田小学校 学校司書 磯沼利惠子 )






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