お知らせ
I Dig Eduを窓口にした以下の講座は終了しました。2025年9月6日(土) オンライン講座 「小学校の読書教育の現状と課題」 近日中に「司書のまなび」に報告を掲載予定です。
I Dig Eduに動画コンテンツ「学校図書館を活用した教科連携事例 東京学芸大学附属国際中等教育学校の実践から」を掲載しました。
「ここは図書館だよ。なんでおしゃべりしないの?」(2024年8月21日のオンラインイベント 筑波大学教授 吉田右子氏と前みんなの森メディアコスモス総合プロデューサー 吉成信夫氏との対談です。必見!)
過去の文科省事業報告会は、司書の学び から視聴申し込みができます。
また、当サイトが応援している、「10代がえらぶ海外文学大賞」は、いよいよ10代の皆さんによる投票期間となりました。トピックスでも紹介しています。
新着案内
「今月の学校図書館」は東京学芸大学附属竹早中学校です。
「授業と学校図書館」は、「6年生が運営します!」公共図書館が小学校の探究授業に協力したら…です。
「読書・情報リテラシー」は 学習発表会 2年生生活科で「NDCのうた」です。
授業実践事例:教科別目次
授業に役立つ学校図書館活用データベース:事例検索
コンテンツ詳細
管理番号 A0472
校種 高校
教科・領域等 国語
単元 古典 公開研究授業
対象学年 高2
活用・支援の種類 源氏物語と芸術教科(音楽+美術+書道)という教科横断授業を行う。公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開する。教科横断授業を意識した授業展開を行うので、資料提供や生徒支援においてもその点を意識した学校図書館としての関わりを提示する
図書館とのかかわり
(レファレンスを含む) 古典+音楽+美術+書道という教科横断授業を行う。公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開する。教科横断授業を意識した授業展開を行うので、資料提供や生徒支援においてもその点を意識した学校図書館としての関わりを提示する。
授業のねらい・協働に
あたっての確認事項 公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開するので、外部の参加者が本校の学校図書館活用を理解できるような支援を行う。
提示資料

『源氏物語を楽しむための王朝貴族入門 』 繁田 信一 2023年 吉川弘文館 ISBN:978-4-642-05978-7 210.37シ
吉川弘文館の歴史文化ライブラリーを選書し平安時代に暮らした人々のリアルな日常の理解を深める事とした。当時の価値観や生活におけるタイムスケジュールなど高校生が手に取りやすい選書を行なった。

『清少納言と紫式部 』丸山 裕美子 2015年 山川出版社 ISBN:978-4-634-54820-6 289.08ニ セ/ム
清少納言と紫式部を比較することで源氏物語を深く読み込むことを目指した。宮中の女房という立場や生活を理解し作者からの理解を深める選書を行なった。

『もっと知りたいやまと絵』 土屋 貴裕 2023年 東京美術
ISBN:978-4-8087-1265-5 721.2ツ
視覚から理解する源氏物語として大和絵を選書した。日本独自の大和絵の表現を通して美意識や価値観を源氏物語への理解ヘと繋げる。
参考資料(含HP)
参考資料リンク https://
ブックリスト
キーワード1 源氏物語
キーワード2 桐壺更衣
キーワード3 平安時代
授業計画・指導案等 指導案完成稿.docx
児童・生徒の作品 https://
授業者 佐藤希世子
授業者コメント 公開授業は全6時間のうちの4時間目にあたっていたので、公開授業の最初に「今まで登場した人物の中で誰が一番辛いと思うか」という問いを生徒たちに投げかけた。生徒たちは「桐壺更衣は団結した妃たちから一斉に嫌がらせを受けていてい一番辛いと思う」、「帝の桐壺更衣への寵愛は描かれているけれど、桐壺更衣の気持ちは描かれていない。もし更衣がそこまで帝のことがあまり好きではなかったらかわいそう」「桐壺更衣は嫌がらせを受けているが、でも帝から愛されている。だけど他の女御、更衣たちはどんなに努力しても愛されない。振り向いてもらえない、そちらの方が辛いと思う」、「帝はただ桐壺更衣を好きになっただけなのに、他の妃を愛さなければならいのはすごく苦しいと思う」とどうにもならい思いをそれぞれの登場人物が抱えて生きていることが読み取れていることを確認した上で該当箇所の読解に入った。今回は『源氏物語』の主人公である光源氏が誕生する場面である。光源氏が生まれてくるのは帝の桐壺更衣への寵愛があったからだが、当時の常識を踏まえると、それは前世からの宿縁が深かったからであり人々の間では仏教思想が浸透していたことを表している。そして光源氏は「きよらなる玉の男皇子」と表現されており、「きよらなり」と「きよげなり」を比較し、「きよらなり」の美しさがある種人間離れした美しさであることを確認し理解を深めた。光源氏誕生と同時に一の皇子の存在が知らされ、今まで学んだ内容や古文常識から今後波乱の展開が続くことを予想した。誰よりもしっかりした後見人を持ち誰もが認める一の皇子と、完璧な美しさをもつ光源氏、二人の皇子に対する帝の思いの違いを「やむごとなき御思ひ」、「私物」という古語を手掛かりに考えていった。
生徒たちは古語の違いや古文常識を踏まえ積極的に読解していた。公開授業の後、芸術の授業でそれぞれ『源氏物語』の世界を豊かに広げ、深めていった。今後の課題としては、3学期は『源氏物語』「若紫」を読解するので今回の教科連携で『源氏物語』の世界を広げた生徒たちがどのように読んでいくのか、生徒が自分で作品の内容や解釈を踏まえ、自分のものの見方、感じ方、考え方を深め、我が国の言語文化について自分の考えを持つことができるよう、授業で特にどの表現に着目することが本文の読みを深めるのかを意識的に行っていきたい。
司書・司書教諭コメント 古典の授業を中心に芸術教科とどのように横断授業を進めるのかを考えた。普段の古文を読み解くだけではない授業展開を意識し、その時代を理解させるにあたり芸術を資料として揃えることは生徒にとって有効な手法だと思い至った。大和絵や源氏物語絵巻や歴史書などを用意し当時の人々の「芸術は人格そのもの」であることの理解を深める支援を行なった。
情報提供校 東京学芸大学附属高等学校
事例作成日 2025/9/3
事例作成者氏名 岡田和美
記入者:岡田
カウンタ
3367594 : 2010年9月14日より
I Dig Eduを窓口にした以下の講座は終了しました。2025年9月6日(土) オンライン講座 「小学校の読書教育の現状と課題」 近日中に「司書のまなび」に報告を掲載予定です。
I Dig Eduに動画コンテンツ「学校図書館を活用した教科連携事例 東京学芸大学附属国際中等教育学校の実践から」を掲載しました。
「ここは図書館だよ。なんでおしゃべりしないの?」(2024年8月21日のオンラインイベント 筑波大学教授 吉田右子氏と前みんなの森メディアコスモス総合プロデューサー 吉成信夫氏との対談です。必見!)
過去の文科省事業報告会は、司書の学び から視聴申し込みができます。
また、当サイトが応援している、「10代がえらぶ海外文学大賞」は、いよいよ10代の皆さんによる投票期間となりました。トピックスでも紹介しています。
「今月の学校図書館」は東京学芸大学附属竹早中学校です。
「授業と学校図書館」は、「6年生が運営します!」公共図書館が小学校の探究授業に協力したら…です。
「読書・情報リテラシー」は 学習発表会 2年生生活科で「NDCのうた」です。
授業実践事例:教科別目次
授業に役立つ学校図書館活用データベース:事例検索
コンテンツ詳細
管理番号 A0472
校種 高校
教科・領域等 国語
単元 古典 公開研究授業
対象学年 高2
活用・支援の種類 源氏物語と芸術教科(音楽+美術+書道)という教科横断授業を行う。公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開する。教科横断授業を意識した授業展開を行うので、資料提供や生徒支援においてもその点を意識した学校図書館としての関わりを提示する
図書館とのかかわり
(レファレンスを含む) 古典+音楽+美術+書道という教科横断授業を行う。公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開する。教科横断授業を意識した授業展開を行うので、資料提供や生徒支援においてもその点を意識した学校図書館としての関わりを提示する。
授業のねらい・協働に
あたっての確認事項 公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開するので、外部の参加者が本校の学校図書館活用を理解できるような支援を行う。
提示資料

『源氏物語を楽しむための王朝貴族入門 』 繁田 信一 2023年 吉川弘文館 ISBN:978-4-642-05978-7 210.37シ
吉川弘文館の歴史文化ライブラリーを選書し平安時代に暮らした人々のリアルな日常の理解を深める事とした。当時の価値観や生活におけるタイムスケジュールなど高校生が手に取りやすい選書を行なった。

『清少納言と紫式部 』丸山 裕美子 2015年 山川出版社 ISBN:978-4-634-54820-6 289.08ニ セ/ム
清少納言と紫式部を比較することで源氏物語を深く読み込むことを目指した。宮中の女房という立場や生活を理解し作者からの理解を深める選書を行なった。

『もっと知りたいやまと絵』 土屋 貴裕 2023年 東京美術
ISBN:978-4-8087-1265-5 721.2ツ
視覚から理解する源氏物語として大和絵を選書した。日本独自の大和絵の表現を通して美意識や価値観を源氏物語への理解ヘと繋げる。
参考資料(含HP)
参考資料リンク https://
ブックリスト
キーワード1 源氏物語
キーワード2 桐壺更衣
キーワード3 平安時代
授業計画・指導案等 指導案完成稿.docx
児童・生徒の作品 https://
授業者 佐藤希世子
授業者コメント 公開授業は全6時間のうちの4時間目にあたっていたので、公開授業の最初に「今まで登場した人物の中で誰が一番辛いと思うか」という問いを生徒たちに投げかけた。生徒たちは「桐壺更衣は団結した妃たちから一斉に嫌がらせを受けていてい一番辛いと思う」、「帝の桐壺更衣への寵愛は描かれているけれど、桐壺更衣の気持ちは描かれていない。もし更衣がそこまで帝のことがあまり好きではなかったらかわいそう」「桐壺更衣は嫌がらせを受けているが、でも帝から愛されている。だけど他の女御、更衣たちはどんなに努力しても愛されない。振り向いてもらえない、そちらの方が辛いと思う」、「帝はただ桐壺更衣を好きになっただけなのに、他の妃を愛さなければならいのはすごく苦しいと思う」とどうにもならい思いをそれぞれの登場人物が抱えて生きていることが読み取れていることを確認した上で該当箇所の読解に入った。今回は『源氏物語』の主人公である光源氏が誕生する場面である。光源氏が生まれてくるのは帝の桐壺更衣への寵愛があったからだが、当時の常識を踏まえると、それは前世からの宿縁が深かったからであり人々の間では仏教思想が浸透していたことを表している。そして光源氏は「きよらなる玉の男皇子」と表現されており、「きよらなり」と「きよげなり」を比較し、「きよらなり」の美しさがある種人間離れした美しさであることを確認し理解を深めた。光源氏誕生と同時に一の皇子の存在が知らされ、今まで学んだ内容や古文常識から今後波乱の展開が続くことを予想した。誰よりもしっかりした後見人を持ち誰もが認める一の皇子と、完璧な美しさをもつ光源氏、二人の皇子に対する帝の思いの違いを「やむごとなき御思ひ」、「私物」という古語を手掛かりに考えていった。
生徒たちは古語の違いや古文常識を踏まえ積極的に読解していた。公開授業の後、芸術の授業でそれぞれ『源氏物語』の世界を豊かに広げ、深めていった。今後の課題としては、3学期は『源氏物語』「若紫」を読解するので今回の教科連携で『源氏物語』の世界を広げた生徒たちがどのように読んでいくのか、生徒が自分で作品の内容や解釈を踏まえ、自分のものの見方、感じ方、考え方を深め、我が国の言語文化について自分の考えを持つことができるよう、授業で特にどの表現に着目することが本文の読みを深めるのかを意識的に行っていきたい。
司書・司書教諭コメント 古典の授業を中心に芸術教科とどのように横断授業を進めるのかを考えた。普段の古文を読み解くだけではない授業展開を意識し、その時代を理解させるにあたり芸術を資料として揃えることは生徒にとって有効な手法だと思い至った。大和絵や源氏物語絵巻や歴史書などを用意し当時の人々の「芸術は人格そのもの」であることの理解を深める支援を行なった。
情報提供校 東京学芸大学附属高等学校
事例作成日 2025/9/3
事例作成者氏名 岡田和美
記入者:岡田
カウンタ
3367594 : 2010年9月14日より
コンテンツ詳細
管理番号 | A0472 |
---|---|
校種 | 高校 |
教科・領域等 | 国語 |
単元 | 古典 公開研究授業 |
対象学年 | 高2 |
活用・支援の種類 | 源氏物語と芸術教科(音楽+美術+書道)という教科横断授業を行う。公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開する。教科横断授業を意識した授業展開を行うので、資料提供や生徒支援においてもその点を意識した学校図書館としての関わりを提示する |
図書館とのかかわり (レファレンスを含む) | 古典+音楽+美術+書道という教科横断授業を行う。公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開する。教科横断授業を意識した授業展開を行うので、資料提供や生徒支援においてもその点を意識した学校図書館としての関わりを提示する。 |
授業のねらい・協働に あたっての確認事項 | 公開研において外部からの見学者を招き研究授業を公開するので、外部の参加者が本校の学校図書館活用を理解できるような支援を行う。 |
提示資料 | |
![]() | 『源氏物語を楽しむための王朝貴族入門 』 繁田 信一 2023年 吉川弘文館 ISBN:978-4-642-05978-7 210.37シ 吉川弘文館の歴史文化ライブラリーを選書し平安時代に暮らした人々のリアルな日常の理解を深める事とした。当時の価値観や生活におけるタイムスケジュールなど高校生が手に取りやすい選書を行なった。 |
![]() | 『清少納言と紫式部 』丸山 裕美子 2015年 山川出版社 ISBN:978-4-634-54820-6 289.08ニ セ/ム 清少納言と紫式部を比較することで源氏物語を深く読み込むことを目指した。宮中の女房という立場や生活を理解し作者からの理解を深める選書を行なった。 |
![]() | 『もっと知りたいやまと絵』 土屋 貴裕 2023年 東京美術 ISBN:978-4-8087-1265-5 721.2ツ 視覚から理解する源氏物語として大和絵を選書した。日本独自の大和絵の表現を通して美意識や価値観を源氏物語への理解ヘと繋げる。 |
参考資料(含HP) | |
参考資料リンク | https:// |
ブックリスト | |
キーワード1 | 源氏物語 |
キーワード2 | 桐壺更衣 |
キーワード3 | 平安時代 |
授業計画・指導案等 | 指導案完成稿.docx |
児童・生徒の作品 | https:// |
授業者 | 佐藤希世子 |
授業者コメント | 公開授業は全6時間のうちの4時間目にあたっていたので、公開授業の最初に「今まで登場した人物の中で誰が一番辛いと思うか」という問いを生徒たちに投げかけた。生徒たちは「桐壺更衣は団結した妃たちから一斉に嫌がらせを受けていてい一番辛いと思う」、「帝の桐壺更衣への寵愛は描かれているけれど、桐壺更衣の気持ちは描かれていない。もし更衣がそこまで帝のことがあまり好きではなかったらかわいそう」「桐壺更衣は嫌がらせを受けているが、でも帝から愛されている。だけど他の女御、更衣たちはどんなに努力しても愛されない。振り向いてもらえない、そちらの方が辛いと思う」、「帝はただ桐壺更衣を好きになっただけなのに、他の妃を愛さなければならいのはすごく苦しいと思う」とどうにもならい思いをそれぞれの登場人物が抱えて生きていることが読み取れていることを確認した上で該当箇所の読解に入った。今回は『源氏物語』の主人公である光源氏が誕生する場面である。光源氏が生まれてくるのは帝の桐壺更衣への寵愛があったからだが、当時の常識を踏まえると、それは前世からの宿縁が深かったからであり人々の間では仏教思想が浸透していたことを表している。そして光源氏は「きよらなる玉の男皇子」と表現されており、「きよらなり」と「きよげなり」を比較し、「きよらなり」の美しさがある種人間離れした美しさであることを確認し理解を深めた。光源氏誕生と同時に一の皇子の存在が知らされ、今まで学んだ内容や古文常識から今後波乱の展開が続くことを予想した。誰よりもしっかりした後見人を持ち誰もが認める一の皇子と、完璧な美しさをもつ光源氏、二人の皇子に対する帝の思いの違いを「やむごとなき御思ひ」、「私物」という古語を手掛かりに考えていった。 生徒たちは古語の違いや古文常識を踏まえ積極的に読解していた。公開授業の後、芸術の授業でそれぞれ『源氏物語』の世界を豊かに広げ、深めていった。今後の課題としては、3学期は『源氏物語』「若紫」を読解するので今回の教科連携で『源氏物語』の世界を広げた生徒たちがどのように読んでいくのか、生徒が自分で作品の内容や解釈を踏まえ、自分のものの見方、感じ方、考え方を深め、我が国の言語文化について自分の考えを持つことができるよう、授業で特にどの表現に着目することが本文の読みを深めるのかを意識的に行っていきたい。 |
司書・司書教諭コメント | 古典の授業を中心に芸術教科とどのように横断授業を進めるのかを考えた。普段の古文を読み解くだけではない授業展開を意識し、その時代を理解させるにあたり芸術を資料として揃えることは生徒にとって有効な手法だと思い至った。大和絵や源氏物語絵巻や歴史書などを用意し当時の人々の「芸術は人格そのもの」であることの理解を深める支援を行なった。 |
情報提供校 | 東京学芸大学附属高等学校 |
事例作成日 | 2025/9/3 |
事例作成者氏名 | 岡田和美 |
記入者:岡田