今月の学校図書館
こんなことをやっています!
東京学芸大学附属小金井小学校
2025-09-04 09:39 | by 松岡 |
東京学芸大学附属小金井小学校では、図書の時間に学年に合わせて読み聞かせやNDCの歌、様々な分野の本の紹介などを通して、子どもたちが本に親しむ工夫をしています。
写真1.
写真2.
図書委員会ではスタンプラリーを実施し、学年を越えて多くの児童が図書館に足を運ぶきっかけづくりをしています。
また、図書ボランティアの保護者の方々も、季節に合わせた飾りつけや環境づくりをしてくださり、子どもたちが気持ちよく過ごせるように支えてくれています。
写真3.廊下の展示。館内図は図書委員作成。
写真4.館内の展示。左の書架には児童が作った小説も閲覧できるようになっています。
なでしこ図書館が、子どもたちにとって「また来たい!」と思える、居心地のよい場所になるよう、これからもみんなで工夫していきます。
(東京学芸大学附属小金井小学校 司書教諭 西岡里奈)
本校は現在校舎の改修工事を行っていて、2024年1月の時点では教室を仮図書館として運営していました。(今月の学校図書館2024年1月の記事も併せてご参照ください。)
その後本校舎の図書館部分の改修工事が完了し、2024年7月に新図書館として再出発!といきたいところが、全体の工事はまだ完了していないため、図書館は三分の二程度が使用可能な状態で、残りの三分の一は壁を作って教室として使用されています。
そのため読書スペースの確保が難しいという問題が続いています。幸い先生方の協力があり、空き教室を利用したり(写真1.1学期の間だけ空いていた図書館隣の教室での読み聞かせ)教室で読書をしたりと子どもたちの読む時間は大切にしていくことができています。
写真5.
今年度、司書教諭の西岡先生が2年生と3年生の図書の時間を受け持っていて、授業の導入で分類について話をしました。NDCの歌を歌って分類を身近に感じてもらったり、子どもたちの借りた本は何類かみんなで共有したり、分類ごとに書架にある本を紹介したりしました。
2年生には国語の単元にある「図書館たんけん」に合わせて、図書館にある色々な種類の本のうち「大型絵本(ビッグブック)」の紹介を兼ねて『999ひきのきょうだいのおひっこし』(木村研/文 村上康成/絵 ひさかたチャイルド)を読み聞かせしたり(写真1)、紹介した本は何類か、クイズ形式にしてみんなで予測したりしました。
3年生には分類ごとに書架にある本を紹介しました。先生の話を聞いて「さっき先生が紹介していた本を借りたい!」と普段は手に取らないような本に興味を持つ子が何人もいて、書架にあるだけでは見過ごしてしまう面白い本に子どもたちが出会えた場面を見ることができました。(写真2:紹介した本の一部。0類『大人も知らない?ふしぎ現象事典(正・続)』(「ふしぎ現象」研究会/編 大田垣晴子/イラスト マイクロマガジン社)や3類『世界のなぞかけ昔話1~3』(ジョージ・シャノン/文 ピーター・シス/絵 福本友美子/訳 晶文社)は予約が入るほど関心を持つ子が多かった本です。)
また4年生の図書は専科の先生が受け持っていて、主に電子書籍Yomokka!を用いてモニター、手元のタブレットPC両方で見られるようにした読み聞かせを行っています。学期末にはビブリオバトルを行い、友だちに本を紹介することと友だちの紹介する本を知る機会も設けています。
約2年読書スペースが少ない状況が続いている中で、スペースの重要さを強く感じています。書架で気になる本を手に取ってすぐにその場で本を読みたい子が多いので、少しでも座る場所を確保できるように日々試行錯誤しています。
来年度には校舎の改修工事が完了して、壁もなくなりいよいよ仮の状態を卒業できる予定です。色々と感じた不便はその状況に置かれなければ気づけない貴重な経験でもあるので、次に生かしていけるようまだまだなでしこ図書館は進化?変化?していきます。
(東京学芸大学附属小金井小学校 司書 松岡みどり)