読書・情報リテラシー
展示に新聞を
2011-04-04 16:09 | by 渡辺(主担) |
NIE(Newspapar in Education) 新聞に教育を http://www.nie.jp/
附属国際中等教育学校は、2009年からの2年間、このNIE実践指定校になりました。
NIEとは、学校などで新聞を教材として活用することです。
生徒たちは、日々新聞のスクラップをおこなっていますが、図書館でもできる限り図書展示
をする際には、新聞記事も一緒に展示するようにしています。
今回は、これまで展示してきた図書展示&新聞記事の掲載事例の一部をご紹介します!
1.時事的テーマの展示 (常設展示)
新聞は日本語7誌、英語3誌をとっています。
そのなかから、前月の新聞を司書がスクラップし、「最近の新聞記事から」という掲示場所に掲示しています。
掲示しているのは、
*時事的テーマの記事
*記事に関連のある図書
*司書の気ままなコメント です。
時事的テーマの本は、書棚で背表紙をのぞかせているだけでは、生徒はなかなか借りていきません。
しかし、時事的ニュースにあわせて面展示をすることで、生徒の手が本にのびることがあります。先生のなかにも、「ここは毎回見ています」という方も現れ、もはや司書がサボることのできない展示コーナーとなっています。
2.新聞の書評から
こちらは新聞の書評記事と館内の蔵書を一緒に展示しているコーナーです。
比較的小説が多いため、時事的テーマの書籍よりも、生徒たちは立ち止まって手にしています。
「そうそう!これ今話題だよ!」
と、友だちとの雑談がカウンターにときおり聞こえてきます。
3.各社新聞の読み比べ展示
NIE指定校になると、新聞を一定期間配布してもらえます。
せっかく、多様な新聞社の新聞が届くので、生徒には“同じテーマの記事の読み比べ”をすすめています。
ちなみにこちらは2009年にノーベル平和賞をアメリカのオバマ大統領が受賞した際におこなった、「ノーベル平和賞受賞者図書展示」です。
それにあわせ、オバマ氏の受賞について「各社の社説」をスクラップボード(画像中央のオレンジ)にし、いかに新聞社(展示は6紙)によって、受賞にたいする評価が異なるのかを読み比べられるようにしました。
4.授業との関連キーワード展示
社会科のキーワード「裁判員制度」から
「裁判員制度って?」という展示をしました。
関連図書、日々の関連記事はもちろんですが、このときは実際に裁判員制度に選ばれた人に最高裁判所から送付されてきた封筒をゆずってもらい、展示しました。
生徒に「これ、本物なのよ!」と封筒を見せると、「ええっ!!」と驚き、しばし展示の前で裁判員制度の話となりました。
たとえ展示した図書がほとんど借りられなくても、いちいち気落ちしないようにしています。
展示した図書や新聞の記事をきっかけに、中高生と展示したテーマについて話ができることも大切だと思っているからです。
5.年間行事や季節にちなんだ展示
昨年6月には、南アフリカでサッカーワールドカップが開催されました。
この時期には、ワールドカップやサッカー関連の図書はもちろんですが、南アフリカという国についての資料も多数展示しました。
窓辺中央の南アフリカの解説は、南アフリカ大使館からもらった貴重な資料です。
その左隣にはサッカー関連の記事、そして右側には南アフリカという国の現状や歴史、抱えてる課題などの新聞記事を展示し、図書展示期間中に、3,4日ごとに記事を変えました。
久しぶりにサッカー少年たちが集い、「司書さん、なかなかやるねぇ」というお褒めの言葉をもらった展示でした。
6.生徒主催の展示
2011年2月22日には、ニュージーランドでM6.3の地震がありました。
そこで生徒たちは3月から、メディアセンターの館内でニュージーランドへの募金活動と、 パネル展示を開催しました。活動の呼びかけは、中学2年生で毎年ニュージーランドを訪問している女子生徒でしたが、次第に手伝ってくれる人たちの輪が広がりつつあった矢先、3月11日の東日本大震災がおきました。
今後、生徒たちからはニュージーランドだけでなく、東日本復興のための支援活動も館内でおこないたいという申し出がきています。館内から発信する情報は、司書からだけではなく、こうして中学生、または高校生とともに発信することで、他の生徒により興味関心をもってもらえることを実感しています。
▲活動の中心となっている生徒が自宅から持参した新聞や資料。
写真の絵葉書は生徒(中2女子)が過去にニュージ
ーランドで写したもの。募金をした人には、好きな1枚
をプレゼトしていました。
(東京学芸大学附属国際中等教育学校:渡辺有理子)