今月の学校図書館
こんなことをやっています!
東京学芸大学附属国際中等教育学校
2011-09-29 22:22 | by 渡辺(主担) |


スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋、そして…読書の秋!
今月は附属国際中等教育学校から、図書館の活動のようすをお伝えします。

9月23日、24日の二日間、生徒主催のスクールフェスティバル(文化祭)がおこなわれました。
生徒のなかには、クラス、学年、部活、委員会の催し・・・と一人でいくつもかけもちしている人もいます。
昨年に引き続き、図書委員会は全国展開しているお弁当のチェーン店「ほっともっと(HOTTO MOTTO)」をもじって、「本ともっと(HONNTO MOTTO)-本のある休憩所ー」という店舗をひらきました。幼稚園から小学校低学年向けの絵本クイズをしたので、小さい子どもたちに大人気! まるで保育園のようなにぎわいでした。
今回のクイズの景品は、図書委員手づくりの「しおり」「ミニ本」、そして1学期から準備をすすめきた「牛乳パックから作るリサイクルハガキ」。
ところが! 完成したのは「ハガキ」というよりも「団扇」として使えるような、実に分厚い代物。図書委員も、指導をした司書の私もびっくり! 景品としてもらった人たちはもっとびっくりしていました。何事も経験ですね。




9月25日、ノーベル平和賞受賞者で、「モッタイナイ」という日本語を世界に広めた、
ケニアの環境活動家ワンガリ・マータイさんが71歳で亡くなりました。
そこで、館内ではマータイさん関連の本を新聞記事とともに展示をしています。
「モッタイナイ」という言葉を広めた人、というだけではなく、マータイさんによってアフリカ20カ国以上でおこなわれた植樹活動、「グリーンベルト運動」のことや、彼女自身の生き方も含めて、ぜひ生徒たちに知ってもらいたいと思います。


2学期になると、教育実習生が大学から大挙してやってきます。初日にはメディアセンターを会場に、約80名ほどの実習生に講和がおこなわれました。
実習期間中は、実習生にも本の貸し出しとレファレンス対応をおこないます。
例えば、今回は美術科の実習生から
「授業で広告デザインについておこなうので、資料はないでしょうか?」
というレファレンスがありました。
もちろんデザイン関係の資料も紹介しましたが、メディアセンターでは、都内でおこなわれている美術館のチラシをファイリングしたファイルがあります。「実際に、チラシを集めたファイルがありますが・・・」と紹介したところ、「とても役立ちます!」と授業にもって行きました。 市販の資料だけではなく、こうした日々の
蓄積した手作り資料が活用されるのは、司書としても嬉しいことです。

また、保健科からは毎回教育実習生に1時間、

図書館の見学と講義を依頼されています。
保健科として、メディアセンターを授業で活用する機会はそれほど多いわけではありません。
しかし、生徒のなかには集団行動が苦手で休み時間の居場所として、または教室で授業が受けられず、メディアセンターで学習する生徒もいます。こうした生徒の心理的部分で図書館と保健科とは、情報交換や連携をしているという話をしています。

9月26日と28日に、タイから来日している図書館スタッフ(シャンティ国際ボランティア会)2名が学校見学に来ました。 

一人はバンコクのスラム街にある図書館で、もう一人はタイ北部の難民キャンプ図書館のために働いています。
午前中には、同じ敷地内の附属大泉小学校の図書館を見学し、小野寺司書から
図書の授業で読み聞かせも見学しました。
「小学校の図書館は古いけれど、司書さんの子どもたちへのまなざしややりとりが
とても素晴らしい!図書館は人が大切ですよね」と感想をもらしていました。
国際中等の図書館では、館内見学をしたあと、ポップアップスタンドをはじめ、様々な
ディスプレイ工作をしました。
すると、偶然メディアセンターにタイからの帰国子女(高校3年生)が登場!
「サワディーカ!(こんにちは!)」という挨拶からはじまって、1時間タイ語で歓談。
「あそこの店はおいしい!」「あの店はもうなくなった」など、聞きなれないタイ語の響きに、
周りの生徒も興味津々でした。
(東京学芸大学附属国際中等教育学校:渡辺有理子)