今月の学校図書館

こんなことをやっています!

東京学芸大学附属高等学校

2012-01-05 12:35 | by 岡田(主担) |

「アーティストとの協同で作る話し言葉の国語授業」が図書館で行われました。

文部科学省平成23年度「児童生徒のコニュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験」(「次世代を担う子どもの文化芸術体験授業」)に該当する2年生の授業を今回紹介します。
附属高校図書館で行われた第10回公開教育研究大会公開授業の事前学習部分を中心にお見せします。
 

講師による授業前指導ミーティング
NPO法人PAVLICの協力により、脚本家、演出家、俳優各位と担当教官とのチームティーチングで行われました。どのように授業を行うか図書館での話し合いの様子です。


ワークショップの様子
6人ずつに班分けをし、各グループでのワークショップ形式で授業は進められます。会話形式の台本を作製しているところです。会話形式にする事により、授業のねらいの「会話を意識する」事につなげます。


全員参加の授業をめざします
本当に皆楽しそうでした。最初は「え〜、台本なんてつくれない。」といっていた生徒も各自の意見がどんどん出てきました。爆笑ありジャンケンありの授業です。


リーディング発表
出来上がった台本を図書館で発表です。授業教官、講師の方の意見や感想をもとに再度練り直します。第3次台本まで、現代口語の特徴を活かした方向性を考えての作製です。各グループの個性の違いに生徒自身も驚きです。





演技の発表へむけて

最終的には作製台本を使っての演劇発表です。演劇は経験のない生徒が大半ですが••••

隣の第二閲覧室で立ち稽古中です。
「司書さん、実際に動いてみたいので、部屋を貸して下さい。」「どうぞ、どうぞ」


別の班は図書館入り口で立ち稽古です。


最終発表は講堂で行われました。

舞台発表直前の打ち合わせ
笑顔の中にも緊張感があります。生徒のドキドキが伝わってきます。

舞台に立って演技の最終調整です。あがってみると、舞台って広い!

さあ,各班本番です!!

小道具はテーブル。設定は病院です。このグループは台本作製中に「どうなるのかしら?」と思ってましたが、見事な展開でした。納得しました。

生徒全員、堂々とした演技を舞台で発表してくれました。
最後は学習のねらい、会話台本と日本語語用論との関連について個別に発表です。

講師の皆さん、本当にお世話になりました。いつもとは違った視点、演劇をしている人としての発想など、図書館授業としても大変参考になりました。ワークショップ形式を取り入れると聞いたとき、司書個人は大変うれしく思いました。リーダーがいて引っ張るという形がとれない授業になると思ったからです。どうしても、グループ発表になると、中心になる生徒が決まってしまう傾向があります。ワークショップのいいところは参加者全員が関われるところだと改めて感じました。
担当教官から1学期に平田オリザ氏の文章で語順、助詞、助動詞、主語なし表現などを学んだと聞きましたので、附属高校図書館所蔵の平田オリザ氏の著書「演技と演出」「演劇入門」 ともに講談社現代新書 「芸術立国論」集英社新書その他演劇関係の図書を展示をしたところ「高校に演劇の本があるんですね!」と講師の方々にも喜ばれました。
有意義な授業を講師の方々、担当教官の浅田先生ありがとうございました。

(学芸大学附属高校 図書館司書 岡田和美)

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