今月の学校図書館

こんなことをやっています!

8月は初任者研修!

2011-08-08 10:38 | by 村上 |


♪今月の学校図書館♪
 
 
  夏休みは、先生向けにさまざまな研修が行われていますが、東京学芸大学では、附属学校の初任の先生方を対象に、2008年8月から90分×2枠の時間で、学校図書館について現場の学校司書が話をする時間を設定しています。専門職として私たちが行っている日常を伝えることで、学校図書館の機能を知らせ、いつでも使える環境を整えることの重要性と、使いこなすのは教師の手腕とのイメージを持ってもらおうというのがねらいです。
 
 
  小学校司書2名、中学校司書1名で担当するこの研修、1年目はまさに手探り、フレッシュな先生方に学校司書として何を伝えたいかを話し合い、他の附属司書たちを前にしてプレも行い、2コマの内容を詰めていきました。今年は4年目、研修内容もだいぶこなれてきたように思います。研修で伝えていることはこんなことです。
 
 
 
 

第一部 学校図書館の日常
 ・ 初任者から学校図書館体験を聞く
 ・ 絵本からの出会い、図書の時間、読み聞かせ、読書ノート、高学年の対応の例「ノンフィクション100冊」
 ・ 生徒が自ら足を運ぶ図書館作り:6つの柱〔蔵書構築、予約、展示、広報、レファレンス、授業での活用〕
 ・ 関連法規、新学習指導要領の学校図書館記述、特別支援における配慮、学び方の指導体系表、日本十進分類法
 

第二部 学校図書館の授業支援
 ・ 図鑑の利用指導、「吉岡(ししょ)」の使い方、授業からひろがる本の楽しみ
 ・ 磯の観察にあわせた蔵書構築と利用指導、書棚の発信力と学習成果や読書の交流など、【学びのコミュニティ】としての「場」をつくる
 ・ 個人の読書生活から授業展開までを支援する資料収集、紹介、コーナー作り。教師も蔵書構築のパートナー、教師にも知らせたい本の紹介
 


 今年は、データベースの最新事例にアップした附属世田谷小学校での総合学習の実践を、紹介したいと考えています。また、学校図書館の日常でも紹介した『多文化に出会うブックガイド』(読書工房 2011)という本で紹介されている本を一部持ち寄り、手にとってもらう予定です。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  校図書館が、子どもたちの「読む」力をつけるために日頃から行っていることや、学校図書館の資料や空間を使って魅力的な授業をしている先生方の実践を通して、図書館の多様な可能性や司書の思いをぜひ知って欲しいと思っています。初任研終了後に、受講した先生方が書かれたアンケートを読むと、学校図書館の新たな可能性や、授業のづくりのパートナーとしての学校司書の存在に気づいたこと、今後積極的に学校図書館を活用したいといった言葉が書かれていて、講座を担当する私たちも、嬉しく思っています。

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