今月の学校図書館
こんなことをやっています！
東京都立大江戸高校図書館
2018-02-03 13:09 | by 村上 |
大江戸高校図書館について
１．概要
都立大江戸高校は江東区にある単位制・総合学科・三部制（午前部・午後部・夜間部）の定時制高校です。創立は平成１６年、今年で１４年目になります。図書館は生徒の空き時間、始業前、放課後などに自由に利用されています。蔵書は約2万7千冊、特に江戸東京に関する本が充実しています。都立高校では学校図書館の業務委託がすでに半数以上に達していますが、本校図書館は正規の学校司書と司書教諭を中心に運営されています。夏休みには「東京・学校図書館スタンプラリー」に参加して、図書館の公開もしています。１１月に行われた文化祭では図書委員会が「大江戸かもめ書店＆工房」として図書館で古本市や豆本製本教室を実施し、有志部門金賞に輝きました。
2.展示に工夫を凝らした図書館づくり
〇ガラス張りを生かした展示
大江戸高校図書館は２階の中央に位置し、一部の壁を除いて四方ガラス張り、大変解放感のある作りになっています。ただ、廊下から中が丸見えなので少々落ち着かない感じもしますが、その特徴を生かして、中からも外からも同時に見られる展示物を作成し、ガラスに貼ることを考えつきました。
入口…生徒の作成したアイロンビーズと司書が作成したペンギン１７種の展示物などでお出迎え。
東側…図書館にあるメディア化された本のポスターと額縁型ブックスタンド（手作り）に入れた美術本『アート・ビギナーズコレクションシリーズ』（東京美術刊）の展示。
南側…図書委員のおすすめ本ポスターの展示。
北側…司書作成、ものの数え方の展示（古い目録カードを利用し、めくると回答がわかるしかけ）
西側…低書架の上に先生・図書委員のおすすめ本などを展示（ここは、中庭に面しているので中から見られる展示のみ）。
【入口の展示と飾り】…『ペンギンペディア』河出書房新社の紹介文とともに、ペンギン１７種を実際の大きさから縮尺して描いた絵を切り抜いたものを展示。入口ドアはアイロンビーズの飾り物などでにぎやかに。
【東側のガラス（外側）】…中の低書架の上に美術本を額縁型展示スタンド（手作り）に置いて外側から見られるように展示。内側には別の本を展示。
【北側ガラス（内側）】…ものの数え方を紹介した「めくるしかけ」の展示。外側にも同様のものを作成してめくることができる。 
【南側ガラス】…図書委員のおすすめ本ポスターを貼っている。外側からも同じものが見える。
○カウンターの周りを楽しくする
カウンターの周りは生徒と気軽に話すためのきっかけになるような、楽しいコーナーを設置しています。生徒の折り紙作品（達人がいます）、図書委員が作成した豆本を並べた「豆本棚」、『トリックアート図鑑』（あかね書房）をもとに作成した展示物「パンダはどこに消えた？」「走る馬のパズル」、パラパラ絵本などを置いており、人気コーナーとなっています。他に図書委員の描いたイラスト入りしおりや司書手作りのしかけのあるしおり（月ごとに変わる）も置いています。
←図書委員が作った豆本を並べた「豆本棚」、生徒の折り紙作品、パラパラ絵本、パズルなどを置いた楽しいコーナー
↓司書がつくった犬のおみくじだるまと、図書委員が作ったしおり
○その他 本の展示
新着図書やテーマごとの本の展示では、出来る限り表紙を見せるようにしています。展示用のブックスタンドは段ボールを使って大量に作成します。展示の際、なるべく司書作成の名刺大のPOPも一緒に置いています。展示が終わったPOPは特製のファイルに「ブックメニュー」として大まかにジャンル分けして収納します。これは生徒への読書案内やテーマ展示の時にも大変役に立ちます。
本を展示するときはなるべく名刺大の手書きPOPを一緒に置く。展示が終わったPOPは「ブックメニュー」ファイルに収納する。
３．終わりに
本が好きな人でもそれほどでもない人でも、図書館に行けばなんだか楽しいしほっとできる、それで知的好奇心も満たしてくれる、そんな空間を目指しています。これからも生徒たちと手作り感満載の楽しい図書館づくりをしていきたいと思っています。
