読書・情報リテラシー
辞書引き大会で、使い方のルールを思い出そう!
2017-10-31 10:37 | by 村上 |
3年生で国語辞典・百科事典の引き方を学習し、4年生で漢字辞典の引き方を学習します。わからない、知らない、知りたい、という時にさっとそれらを引くハードルを少しでも下げたい、という学級担任の願いを耳にし、図書館の時間に「楽しみながら引く」「ゲーム感覚で引き方のルールを覚える」という取り組みをしています。
1グループに1冊辞書があればよいので図書館の蔵書で実施でき、グループの人数を調整することで短時間でできるので、いくつも問題を作っておき複数回実施すると効果が上がります。
1、ねらい
・既習の国語辞典の引き方のルールを再確認する
・あきらめずに他の引き方(読み)を考えることができる
・複数の情報の中から、自分が必要としている正しい情報にたどり着くことができる
・仲間と一緒に取り組むことで、学び合いができる
2、辞書引き大会の準備
①必要なもの
・国語辞典の同じものを(もちろん版もそろえて)グループの数と同じ冊数
・ワークシート(見出し語を列挙し、それが掲載されているページを書く)
・時間をはかるもの(「インターバルタイマー」というアプリなどが便利)
②ワークシート作成(見出し語抽出)のポイント
・国語辞典の引き方のルールを使えるようにする(清音→濁音→半濁音、促音や拗音は直音のあと、長音はすぐ上の字の母音に置き換えられる)
・同じ音の見出し語がいくつもあり、きちんと判別する必要があるものを入れる(同じ音の見出し語がページをまたいで掲載されている場合もある)
・1ページ目、最終ページなど、端から端まで使えるようにする
・同じページ、または同じ見開きに掲載されているものを入れ、五十音順という並びについて意識させる
3、辞書引き大会の実際
①進め方
・1チーム3~5人程度
・ワークシートは1チームに1枚
・一人の持ち時間1~2分(1分だと少し短いが、2巡くらいはできるように人数と実施時間をみて調整)で、時間内にできるだけ調べる
・見出し語の掲載ページをワークシートに記入
・時間になったら、次の人とかわる
・終了後答え合わせと、引き方のプロセスについての解説
②約束
・次の人に渡す時は、辞書を必ず一回閉じる
・記入係はだれがやっても(持ち回りでも、本人が書いても)よい
・助言をするのはよいが、調べる主体はその時順番の人
4、所感
実施後に、どの学年の子どもたちからも聞こえる声がいくつかあります。「どんどん引くのが速くなる!」「〇〇をもう一回引いて読んでいい?」「またやりたい!」あたりです。国語の授業で引き方を学習し、その後継続的に意識的に使うようにされる先生もいますが、やはり「慣れ」というのは「分からない・知りたいときに、すぐ引く!」への第一歩だと考えます。また、掲載ページのみを書かせるゲームですので、解説文を読むことができないフラストレーションは自分が「知りたい」という欲求を持ったことを意識させるきっかけとなります。ゲーム後にこのあたりを丁寧に子どもたちに伝え、次回の約束をして終わりにしています。
ゲームにいっしょに参加された担任の先生からは「あいまいだった引き方のルールを再確認し、時間を意識しながらチーム内で声を掛け合って引く中で、子どもたちの辞書への抵抗感が薄れていったような気がします。」という感想をいただきました。