実験操作

参考 使用する主な器具 >>

(1) 反応停止液の作り方

試験管に水2.5 mL,3 M硫酸0.5 mLを加え混ぜ合わせて作成する。
反応停止液の入った試験管は,サンプリングを行う回数分用意する。
(例えば初濃度の滴定を3回,反応開始後のサンプリングを5回行うとすると,反応停止液は8本作らなくてはいけない。)


(2) 初濃度の滴定

過酸化水素の濃度が時間とともにどのように減少していくのか知るためには,もとになる過酸化水素の濃度(初濃度)が分かっていなければならない。
2.0 mLのピペットに2.5 mLの注射器を付けたもので,0.3%過酸化水素の保存瓶から1.0 ml量り取る。
*このとき使用するピペットは反応溶液をサンプリングするときにも必ず用いる。
反応停止液の入った試験管の中へ静かにゆっくりと入れる。
初濃度の滴定は2~3回行う。


(3) 過酸化水素を量り取る。

鉛付きのスクリュー管を用意する。10 mLのホールピペットで0.3%過酸化水素水10 mLを量り取り,スクリュー管の中へ静かに入れる。
ホールピペットが濡れている場合は共洗いを行ってから使用する。


(4) 恒温槽に入れる。

恒温槽の温度を25.0℃に設定して電源を入れる。
*恒温槽に取り付ける温度計は補正したものとする。
恒温槽の水温が一定になったら,過酸化水素水の入ったスクリュー管を入れる。
スクリュー管はこの状態のまま15分以上入れておく。


(5)鉄ミョウバンを入れる。

25℃の恒温槽に15分以上入れ,温度が一定になったスクリュー管の中に0.7 Mの鉄ミョウバンを0.1 mL入れる。
*このとき使用するピペットは2.5 mLの注射器を付けた0.5 mLのものにする。
鉄ミョウバンを入れると反応が開始するので,時間を測り始める。
*反応中,スクリュー管は恒温槽から取り出してはいけない。
・・・・・・なぜいけないのか考えてみよう。


(6)サンプリング

(1)で過酸化水素水1.0 mL量り取るのに使用した2.0 mlのピペットを用いる。
反応が開始(鉄ミョウバンを投入)してからおよそ5分後に1回目のサンプリングを行う。
反応中の過酸化水素水を1.0 mL取り出し,反応停止液に入れる。
サンプリングの操作は,5分ないし10分ほどの間隔で5本以上行う。
サンプリングの時間間隔は等間隔としなくてもいいが,サンプリングを行った時間は反応を開始させてから何分何秒後であったか,必ずノートに記録する。


(7)反応を停止させる。

サンプリングにより取り出した1.0 mLの過酸化水素水は,反応停止液の中に入れることで反応が停止する。
反応を停止させた時間は必ずノートにとっておく。

(8) 滴定

反応停止液に入れた1.0 mLの過酸化水素水は過マンガン酸カリウムで滴定する。
測定には,スタンド,2.0 mLのメスピペット,2.5 mLの注射器を用いる。
過マンガン酸カリウム溶液をゆっくり滴下させ,滴定を行う。
装置は以下の図のように組み立てる。


(9)滴定の終点

滴定の終点は以下の写真のような色になったときである。


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