GreenChemistryについて

「グリーンケミストリーとは環境にやさしい化学のことである。」その精神は十二ヶ条にまとめられています。この運動に呼応して「実験のスケールを劇的に小さくするマイクロスケール化学実験が、アメリカの大学の有機化学で、1980年代から組織的に取り入れられ始めた。」

本学における反応速度実験は、これまで過酸化水素水を50 mL使用し、50 mLビュレットで滴定を行っていました。
しかし今回はグリーンケミストリーの精神を踏まえ、化学実験における有害廃棄物の排出量を激減(90%減)させ、実験の品質を保ったままスモールスケール化する事を目標に反応速度実験の設計を試みました。  
このような削減は環境保全としてささやかな試みですが、実験者の理解と協力がなければ達成することができません。  

反応速度実験をスモールスケール化すると、どのような利点があるか考えてみましょう。

スモールスケール化の利点

・速度式の検証に必要な高い実験が行える。
・省スペースでの実験が可能である。
・試薬の量、廃液量が削減できる。
・個別実験が可能である。
・安価な器具で実験できる。
・安全性に優れている。